ぐわぐわ団

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ズボンが破れてホッチキスで何とかしました地獄

お仕事中にズボンが破れました。結構盛大に。尻の部分がバリッと。諸行無常という言葉は、この世に存在するすべてのものは同じ状態を保つことなく移り変わっていき永久不変なものなどない、ということを意味しますが、よりにもよってこんな時に諸行無常にならんでもええやんというタイミング。

「ズボンが破れたので早退します!」と言えるわけもありません。周りの全ての人が一瞬にして敵に見えます。せめて、この諸行無常の事実を誰にも気付かれる事なく穏便に済ましたいと思い、後ろ姿を誰にも見られないように細心の注意を払いながら、人のいないところまで移動しました。ズボンを脱いで確認したんですが、まあ冒頭に書いたとおり、盛大に破れているわけです。

……どうしよう。当たり前ですが、こんな言葉しか思い浮かびませんでした。もちろん、予備のズボンなどありませんからね。

針と糸で修繕するのは時間がかかりすぎるし、そもそもお裁縫セットがありません。誰かに「お裁縫セットをお持ちではありませんか?」と尋ねるのは、ズボンが破れたことをカミングアウトすることであり、それはすなわち死を意味します。限られた物資と時間で最善の手を考えねばなりません。

結論から言うと、ガムテープで貼るか、ホッチキスを使うか、二択しかありませんでした。ただ、ガムテープだとごわごわするし、粘着力も強くない。表側から貼るわけにもいかず、裏側から貼ったとして、ガムテープが剥がれてしまったら大惨事です。どう大惨事なのかはご想像にお任せしますが、そりゃあもう辛い。となると、ホッチキスしか手はないのです。どうにかこうにか、敵に背後を取られないように怪しい動きをしながら、自分の机に戻り、ホッチキスを確保。針がきちんと装填されているのを確認したうえで、人のいないところに戻りました。

バチバチバチバチ……

そこそこ長いこと生きてますが、こんなに虚しい作業もなかなかありません。そもそも布とホッチキスの相性ってのはそんなに良いものではなく、下手なことをしてしまうと尻に針が突き刺さる恐れがあり、それはそれで辛い。ズボンが破れただけではなく、尻まで怪我してしまうなど、人としてありえないことです。

まあ、何とか誤魔化しましたけど。帰る間際に「今日は打ち上げに行こう!」という天の声が聞こえてきて、その後、居酒屋で二時間ずーっと尻の事を考えながら、苦痛に耐える修行もしてきました。ミニスカートの中を見られないようにカバンで尻の部分を押さえてあるくOLのような格好で街中を歩き、電車に乗り、家に帰ったときの安堵感といったらもう!

みなさん、ズボンは大切に履きましょう。合掌。