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新呼吸

長らくの間、ラジオ体操の最後の深呼吸を新呼吸だと思っていました。これは、私だけではなく、日本に住む生きとし生けるもの全てがもつ業のようなもので、誰もが新呼吸なのだと思っていたけれど、ふとした時、実は深呼吸だったと知り、その瞬間に大人の階段を登るのです。

「え?深呼吸を新呼吸だと思ってたの?」

大人になるとはこういうことなのです。自分自身も新呼吸だと間違って覚えていたはずなのに、いざ目の前に新呼吸だと勘違いしている人がいると、さも私は最初から正しい道を歩んでいたかのように、生まれたときから深呼吸をきちんと理解していたかのように、そして新呼吸を恥ずかしいもののように扱うのです。

「あれは深い呼吸でしょ?常識よ、常識!新しい呼吸だと思っていたの?それはどうかと思うわ。恥ずかしいわよ、社会人として。」

社会人であろうが、そんなことは関係ありません。間違いを責めることなく、寛大な態度で接することができる人こそが社会人です。新呼吸をバカにするような人に、社会人を名乗って欲しくはありません。

というわけで、新呼吸です。人間である以上、息を吸って、吐いてを繰り返さなければ生きていくことができません。呼吸を止めて一秒で真剣な目をするぐらい大切なことなのです。呼吸を止めて一日だともはや成仏待った無しです。わからない方はタッチの主題歌を調べましょう。調べる必要があるかどうかは正直わかりません。星屑ロンリネス。

そんな大切な呼吸を新しく開発するという、壮大な計画こそ「新呼吸」なのです。普通は吸って吐いてを繰り返しますが、吸って、吸って、吐いて、ヒッ、ヒッ、フー、と吸う行為を二度続けて、それから吐く、ワルツのリズムで呼吸をすることで、出産の痛みを和らげることができます。これは新呼吸というか、ラマーズ法です。

いろいろと勘違いをする人がいるので、ラマーズ法も勘違いしている人がたくさんいます。法律の一種と勘違いしている人がたくさんいるのです。目には目を、歯には歯をで有名なハンムラビ法典とラマーズ法がごっちゃになっている人も、日本をくまなく探せば5人ぐらいはいるはずなのです。天然記念物として指定したくなるのですが、これまた困ったことに、間違いを指摘した時点で「いやぁ、ラマーズ法ね、知ってるよ!」と開き直り、価値がなくなってしまいます。

深呼吸を新呼吸と勘違いしている人があれば、そっとしておくことが寛容なのかもしれません。まさか、真呼吸だと思っている人はいませんよね?合掌。