ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

「不幸競争」に参加しない

こないだ本屋さんでポイント5倍という酔狂なセールをしていた時に買った本がこちらになります。

その中で、さらっと読めて、ほほうと思った本がこちら。

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

 

 『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』です。会社勤めが年功序列の終身雇用から、いつの間にか成果主義で雇用の流動化といった、わけのわからないアメリカナイズをされてしまい、しかもパソコンが1人一台ずつ割り当てられて、エクセルやらパワポで仕事がラクになるかと思いきや、することばっかり増えてきて、ぎゃー!と叫びたくなるような世の中です。しかもデフレが続いていて、辞めたらどうなるかわからないという不安いっぱいの中、いくらしんどくても会社を辞められないというのもよくわかります。

前置きが長くなりましたが、この本の一節にこんな言葉が。「不幸競争」に参加しない。つらくて休みたいとき、辞めてしまいたいとき、「世の中にはもっとつらい人がいるんだから我慢しなさい」「俺がおまえくらいの年齢だった頃は倍は働いていたぞ」「まだマシじゃん、私の方が大変だよ。今日も会社でこんなことが……」と、こんなことを言う人がいますよねって話。

他人との比較をしても、だからどうしたとしか思えない。そりゃそうです。他人は他人で、代わってくれるわけでもないんです。「そうか、私はまだマシなんだ!じゃあ3日寝てないし、家にも帰ってないけれど、お仕事頑張ろう!」なんてなるわけがない。

仮に私が会社の経営者だったとして、こんな論法で従業員を説得できるのであれば、万障繰り合わせてヘレン・ケラーの伝記を読ませます。

とはいえ、ヘレン・ケラーが三重苦で頑張って、サリバン先生がいろいろと教えて、すごいというのはわかりますが、だから自分も頑張ろうというのも筋違いなような気がするわけです。別にヘレン・ケラーはなりたくて三重苦になったわけでもないわけですし。苦労するのが美徳みたいな考え方が、まずもってもんにょりなんですよ。もっと言うと、ヘレン・ケラーと自分を比べるという考え方がそもそももんにょり。

植田まさし先生の名作、ほんにゃらゴッコ かりあげクンを従業員に読ませて、「社長!これはどういう意味ですか?」と聞かれたら、「それは自分で考えなさい」とやんわり諭してあげるぐらいの心の大らかさを持ちたいものです。なんのこっちゃ。合掌。