ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

怪談 カニかま天握り

これからお話するのは、怖いお話です。

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*写真はイメージです。ていうか、この前食べたクレープすし(甘えび)です。

回転寿司に行ったんです。お店は満員で、とても賑やかでした。流れてくる寿司を頂いていたのですが、私の食べたかったカニかま天握りがなかなか流れてこないのです。仕方がないなぁと思い、タッチパネルを操作して、カニかま天握りを注文したのです。それが、後々とんでもない事になるなんて、全く想像できませんでした。

揚げものですから、時間はかかるだろうと思っていたのですが、待てども待てどもカニかま天寿司が流れてくる気配はありません。私の座っているテーブルは「緑色」の席ですから「緑色」と書かれた台の上に乗って、カニかま天握りが回ってくるはずなのです。後から注文した、まぐろ山かけ軍艦が先に来たりして、どうしたんだろうと思わずにはいられませんでした。

すると、突然「まもなくご注文頂いた商品が到着致します」というアナウンスが、タッチパネルの機械から発せられました。しかし、カニかま天握りは流れてきていないのです。「到着致します」のアナウンスだけが、無情にも響き渡ります。

こういう事もあるんだと思いまして、私はやむなく再度タッチパネルでカニかま天握りを注文致しました。カニかま天握りを絶対に食べたかったわけでもないのですが、一旦食べようとした以上、引くに引けなくなっていたのです。

5分ほど経ったでしょうか、レーンから「緑色」の台に乗ったカニかま天握りが流れてきました。しかし、今度はアナウンスが流れません。目の前を通り過ぎようとするカニかま天握りを前に、やむなく手に取りました。カニかま天握りは揚げたてで、実に美味しかったです。だがしかし!

恐怖はその後に訪れました。カニかま天握りを食べ、〆にかけうどんを注文し、もはやこれまでと思っていたところ、「緑色」の台に乗ったカニかま天握りが再度レーンに乗って流れてくるではありませんか。すでに、かけうどんを食べてお腹いっぱいなのです。さきほど食べたカニかま天握りは、アナウンスだけが流れた幽霊カニかま天握りだったのでしょうか、そして、もうひとつのカニかま天握りはじわじわと私のテーブルに近づいてきます。確かに私はカニかま天握りを2回注文しました。ただ、1回はアナウンスだけを聞き、品物がなかった以上、もう終わったものだと思っていたのです。じりじりと近づいてくるカニかま天握り。

「まもなくご注文頂いた商品が到着いたします」とアナウンスが流れました。そして、目の前にはカニかま天握りが流れています。注文した以上、取るしかありません。平日限定で130円で食べることができるかけうどんを調子に乗って頼んでしまったため、もはや満腹なのです。しかしながら、カニかま天握りが目の前にあるのです。どうしたらよいやらわからず、やむなく食べましたが、2皿もカニかま天握りを食べることになろうとは……

本気でどうでもいい話を、原稿用紙3枚分も書いてしまいました。