らもさんが亡くなったのが2004年。今が2016年なので干支が一周してしまいました。
ちくま文庫の『虫けら様』という本を探しに本屋さんに行って、手に取ったのがこの本。らもさんの本はほとんど読んでいたはずだったのですが、最近はご無沙汰だったのと、だいぶ記憶も曖昧になっていたので、サクッと買ってしまいました。『虫けら様』は「ぶつぶつちゅうちゅう」を見て満足してしまいました。ねずみさんはかわいかったです。
この本ですが、その名の通り、らもさんのエッセイ集です。テーマ毎に分類されてまして、生い立ちから、酒、煙草、ドラッグ、エンターテイメント等々、読みやすくまとめられています。久しぶりにらもさんのエッセイを読んでびっくりしたのが、今でも自分がらもさんの本に影響を受けまくっていること。人生のたらればに関してのエッセイ、今ある自分を「必然の集積」と言い切ってしまうらもさんの考え方は、まんま自分の考え方だったりします。すっかり忘れていて、自分で考えた気になってましたが、らもさんだったのかと納得し、自分で考えたなんておこがましいやら、なんとやら。
じゃがいもにみそつけて食べると死ぬと朝日新聞に書いてしまい、エラいことになったエッセイなんか最高に面白いですし、らもさんの先生や師匠の話なんかはほっこりして炊きたてのごはんのようです。この例えは確か大槻ケンヂがしていたような。
というわけで、らもさんを知らない方は是非ともこの本を読んでみてもらいたいです。たらればの話は無意味とわかりつつも、もしご存命であれば今63歳。らもさんの本が読めないので、自分でこうやって文章を書いてるってのもあるんですよ。全くもって及びませんけどね。
- 作者: 中島らも,小堀純
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/07/08
- メディア: 文庫
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