「お名刺頂けますか?」
突然こんなことを言われると、どぎまぎしますよね。聞き間違えて「呂明賜が欲しいってどういうことだ?台湾の高雄市出身の元プロ野球選手で、1988年のドラフト外で読売ジャイアンツに入団し、入団時の体重が97kgだったから背番号も97になって、最初は二軍にいたけれども、クロマティがデッドボールで右手小指を骨折したのをきっかけに一軍に昇格して、6月14日の対ヤクルト戦で、初回にボブ・ギブソンからホームランを打ったのをきっかけに大暴れして、デビュー9試合で36打数12安打7本塁打の記録し、ジュニアオールスターゲームとオールスターゲームのどちらにも出場するというむちゃな事になって、最終的にはホームラン16本を打ち、前傾姿勢の打撃フォームから繰り出される豪快な一打から「アジアの大砲」と評されたものの、翌年にはクロマティが復帰し、ガリクソンやマイク・ブラウンといった他の外国人選手との外国人枠の兼ね合いなんかで二軍暮らしが続き、結局1991年のシーズンオフに退団した後は、母国台湾の味全ドラゴンズに入団して、持ち前の長打力でもって主力打者として活躍して、その後すったもんだの挙句、2013年には台湾代表チーム監督に就任した、あの呂明賜を頂けますか?なんて急に言われても、すぐに呂明賜は用意できないなぁ、よわったなぁ……」なんて感じであたふたしてたら、
「あの……ゴルゴ13の作者として有名な、さいとうたかを先生が何を思ったのかわかりませんが『呂明賜がゆく』という漫画を描いてまして、その漫画の主役となった呂明賜なんですが、私が欲しいのはその呂明賜ではなく、お名刺なんですが……」
「ああ、名刺ですか!ついうっかり呂明賜と聞き間違えてしまいまして。」
「まあ、うっかりさんですのね!」
と、呂明賜がきっかけで話が盛り上がり、婚約、結婚に結びつくケースも多々ありますので、みなさん頑張ってください。合掌。