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風の谷のナウシカの思い出

中学生の時、引っ越したんですよ。家が広くなるかわりに、あほみたいに不便な場所に。当時はバスも通っておらず、駅から歩いて40分、コンビニもなければ、自動販売機もない。学校に通うのも一苦労。最寄駅も当時、ど田舎路線の各駅停車しか走っていないような路線で、途中からはディーゼルカーが90分に1本走るというトンデモさ。あんまり書くと特定されてしまいそうなので、適当なことも織り交ぜていますが、とにかくめちょんこ山奥の田舎に引っ越したんです。

引っ越して、初日にテレビで放映されていたのが『風の谷のナウシカ』だったんです。とりあえず、わくわくしてテレビをつけたんです。そしたら、山奥だからでしょうか、電波障害がビンビン、NHKと揉めに揉めて地域全体でNHK料金を払わないことになっているぐらいのむちゃくちゃな地域でして、もちろんNHKもえらいこっちゃなのですが、民法の電波もえらいこっちゃの電波障害ビンビンなわけですよ。

どういうことかと言うと、ゴーストと言いまして、画面が二重に映るのです。ナウシカの横に透明おばけみたいなナウシカが常にいるの。クシャナ殿下の横にも透明になったクシャナ殿下がいるのです。どいつもこいつも二重になってて、画面の真ん中には滝が流れ落ちるのです。

なんじゃこりゃ?

もはや、まともに映像が見えないというか、見ていてだんだん気持ちが悪くなるぐらいのゴーストが出るわけです。とはいえ、せっかくの『風の谷のナウシカ』ですから、もんにょりしながら最後まで見ました。そして、泣きました。テレビもろくに見えないところでこれから暮らすことになるのかと……

その後、原付を手にいれて、移動手段を手に入れるまで、ほんとに引きこもりのような生活をすることになりました。だって、自転車で本屋さんに行くのに1時間かかるし、帰りは登りですから1時間で帰ってこれませんし、坂道は急勾配すぎて、押して登らなければ前に進まないという、とんでもないところなのですから。

というわけで、『風の谷のナウシカ』を見るたびに、引っ越して涙を流したことを思い出すのです。

よくわからないのが、私の父親です。そんな山奥のど田舎であるにも関わらず、車の免許もなければ、原付の免許も持たず、ママチャリで駅まで通勤してました。雪の日にも自転車で駅まで行こうとしてすってんころりんして骨を折ったりしたこともあります。そして、定年退職して、現在喜んで引きこもり生活を満喫されているのですが、なぜあんなところに家を建てたのか、なんとなく怖くて聞くこともできません。

はっきり言って、ナウシカ全然関係ないやんというお話でした。合掌。