こないだ『風の谷のナウシカ』を放映していました。地上波での放映は17回目だそうです。私自身、何回観たのかわかりません。繰り返し観ているので、セリフはだいたい覚えてしまっています。クロトワのセリフがいちいちかっちょよすぎるのがヤバいです。「腐ってやがる。早すぎたんだ。」というセリフは巨神兵を目の前にせずとも、誰もが一度は口にしたことがある言葉ではないかと思います。早すぎて腐るなんてあり得ないのですが、そんなことは誰も疑問に思いません。普通は遅すぎて腐るのです。でも、目の前のみかんが腐っていたら、「腐ってやがる。早すぎたんだ。」と言いたくなるのです。これは、生きとし生けるものの宿命だと思ってください。
映画『風の谷のナウシカ』を観た人はだいたい風の谷の人たちが好きになって、トルメキアの人たちが嫌いになる傾向があります。漫画の『風の谷のナウシカ』を読むと、これまたちょっと違ったりもするのかもしれませんが、漫画版はややこしすぎてどうにも理解しきれず、せっかく読んだにも関わらず、内容はきれいさっぱり忘れてしまいましたので、映画版を前提に話を進めさせていただきます。確かに、トルメキアが風の谷に来なければ、あんなことにはならなったのですが、来ないことには♪らんらんらららんらんらんもなく、古き言い伝え「その者蒼き衣を纏いて金色の野に降りたつべし」が古き言い伝えのままであった!となってしまい、映画としてそもそも成り立たなくなるので、トルメキアの存在というのはとても重要なのです。
トルメキアがめっちょ素晴らしい国家で、風の谷に使者を立てて和平交渉に臨んできたら、映画としてはちっとも面白くないでしょう。「腐海を焼き払いたいのでご協力いただけないでしょうか?」「腐海は土を浄化してくれているのよ。」「そうでしたか、それは失礼致しました。」なんだこりゃ。
というわけで、トルメキアは『風の谷のナウシカ』という映画にとって、なくてはならない存在であり、クシャナ殿下の「我が夫となるものはさらにおぞましいものを見るであろう」と言っている時、マントで隠れて見えませんが、間違いなく三角座りをしているのが萌えポイントです。あのシーンは本気でクシャナ殿下がちんまりしていてかわいい。
『風の谷のナウシカ』を観ていない人にはなんのことだかさっぱりわからない話をしていますが、トルメキアの装甲兵のデザインがとにかくかっちょいいので、それだけでも見てもらいたいものです。合掌。