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読んで損する楽しいブログ

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読みました

2045年にはシンギュラリティ(技術的特異点)が来て、何も考えなくても全部AIが考えてくれて楽チンな世の中になると信じていた私にとって、全ての希望を打ち砕く衝撃の本がこちらになります。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

「東ロボくん」と名付けた人工知能を育て、東大合格を目指すチャレンジを試みてきた数学者・新井紀子さんの本です。 

こちらの動画でこの本の大まかなところは語られています。13分ほどですので、ご興味のある方はぜひ一度ご覧ください。

さて、動画でも語られていたことですが、AIは意味を理解しません。いろいろなところからデータを引っ張ってきて、統計上の処理を行い、たぶんこれが正解だと思われる答えを出してきているだけだったりします。例えば、iPhoneでSiriに「この近くのまずいラーメン屋を教えて」とたずねてみると「見つかった中の1つは***です。評価は平均で星4個です。価格帯は安いです。」と答えてきました。***は自主規制です。

つまり、Siriは「まずい」を理解していません。***の店主が激怒してAppleに文句を言えば改善されるかもしれませんが、それは人間が作為的にすることであり、Siriが自分で考え、意味を理解しているわけではありません。

考えてみると当たり前の話で、AIもコンピュータでしかありませんから、ざっくり言ってしまうと、できることは足し算と掛け算だけなのです。数式を解くことはできても、数式がなければ何もできないのです。そして、人間の感情や思考は数式で表現することができません。とはいえ、AIの技術はどんどん進化しており「東ロボくん」は日本の6割以上の大学で合格できる実力なんだとか。意味を理解できない、文章を読めない、にも関わらずです。

そこで、この本の真骨頂が「じゃあ人間は?」という流れになることです。AIの仕組みを学び、できないことはあるけれどすごいんですよ〜で終わりじゃないんです。

この本を書かれた新井さん、人間の読解力の調査を始められました。教科書と新聞に書かれている文章をきちんと人間は理解できているのか。中学校、高校を中心に、いろいろなところで読解力のテストを行ったところ、とんでもない結果が!

後半の読解力の調査に関しては、本当におもしろい(と言っていいのかわかりませんが、とにかくおもしろかったです)ので、ぜひ本を読んでもらえればと思うのですが、とにもかくにも結論としては、シンギュラリティの到来どころかAIに仕事を奪われて失業する人があふれているのに、本当に必要な人材が全然足らないというむちゃくちゃな未来が待っているのです。えらいことです。

とりあえず、ぐわぐわ団を読んで読解力を養いましょう。そうすればAIに勝てます。合掌。

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