ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

みんながM-1グランプリ2018のことを書いているので……

私も書くことにします。

先に書いておきますが、私が一番好きな漫才は人生幸朗・生恵幸子のぼやき漫才です。「責任者出てこい!」で、いまだにお腹を抱えて笑います。歌謡曲を斬りまくるのは特にお気に入りです。もし、人生幸朗・生恵幸子のお二人が今もご健在で、漫才を続けておられていれば、どんなぼやきが聞けたのでしょう。おそらく、ぼやきのネタは今のほうがたくさんあるはずです。「ちっくとっくってなんじゃ!若いのがへにょへにょ踊ってからに……盆踊りはお盆にせんかい!」ぐらいのぼやきが聞けたかもしれません。

とはいえ、実際にはもうお二人とも亡くなられてしまっており、生の漫才を聞くことはできません。生のジャイアント馬場を見ることができないのと同じで、実に残念なことです。

ぼやき漫才は、普段の生活で目にする出来事や耳にする歌に対して、ズバズバ切り込んでいくから面白いのです。とっぴなモノを題材にされると、どうしても気持ちの面で壁ができるというか、すんなり入り込めなかったりするのです。タイムマシンはぎりぎりわかるけれども、ゾンビとかになると、漫才のネタとしてはどうかなと思ったり。あと、「殺す」みたいなキツい言葉を使われると、聞いているほうが引いてしまいます。

文字で見るのと、音で聞くのとでは、キツさが違うんです。だから、文字で書いて面白かったとしても、いざ音にして聞くと、全然印象が違ったりするわけです。文字は瞬間的に取捨選択できるので、読みたくないと思った時点で目が文字を追わなくなりますが、音はそういうわけにもいかず、ガンガン突き刺さってくるのです。だから、文字と音の違いをきちんと理解していないと、ネタ帳の上ではおもしろいのに、いざ漫才にするとおもしろくなくなるという齟齬が生まれてしまうのです。

いろいろと書いていますが、私にとってのM-1の最強王者は、何年も前に大阪の予選で見かけた「ギリギリセーフ」というコンビです。ギリギリどころか完全にアウトで、テレビには絶対に映せない人たちによるSMプレイでした。あれは本当に笑い死ぬかと思いましたが、予選で落ちたのでしょう、その後見かけたことがありません。合掌。