「こんな簡単な書類を作るだけなのに、どうしてミスをするんだ!」
と、怒鳴る上司がいるとすれば、その上司は相当のスカタンです。あなたがスカタンなわけではありませんから安心してください。
この春から仕事を始めた新入社員の方であれば、しょうもない書類作りを命じられて、どうにかこうにか完成させたと思ったら、ちょっとしたところが抜けていたりして怒られたりしたことがあると思います。たぶん、どこの職場でも同じ。「こんなの、ロボットを使って自動化したらええやん。」と思われるかもしれませんが、そんなことをする予算がない会社がほとんどです。「みんなで力を合わせて頑張ろう!」という根性論の鶴の一声が飛んできて、RPA(ロボットによる業務自動化)は一向に進みません。
書類作りに限定して話を進めますが、ミスをするというのは、その書類が悪いのです。ちょっとしたところが抜けてしまうとすれば、前もって抜けないような仕掛けを作っておくべきです。Excelで作る書類だとしたら、前もって条件設定を仕込んでおいて、変な数字を入力しようとしたらセルの色が変わるとか、エラーを出すようにしておくとか、いろいろと工夫すべきところがあるはずなのです。
そんな工夫もなく、ミスをしたら「ばかもん!」だとすれば残念ですが、その会社に未来はありません。ミスの原因を人と考えるか、仕組みと考えるか。人がミスの原因だと考える会社であれば、いくらでもミスが起きます。人は完全ではないからです。そして、しょうもないミスも積もり積もればどエラいミスにつながります。一方、仕組みがミスの原因だと考えて、仕組みを修正するように動く会社であれば、ミスは減っていきます。いくら人が不完全だとしても、ミスしないような仕組みがあればミスなんてしません。
□ □ (どちらかをチェックする)
これだと、ミスが起きます。
□ □ (左側をチェックする)
こうすると、ミスは起きません。当たり前じゃないかと思われるかも知れませんが、こういう工夫や仕掛けがないからミスが起きるのです。
もう一度言いますが、「どうしてミスをするんだ!」と怒られたとしても自分を責めないでください。ミスが起きないように準備ができない、仕組みを作れないぼんくらが吠えているだけなのです。ぼんくらは放っておいて、ミスが起きないような仕組みを自分で作ってしまいましょう。合掌。