ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

『ケーキの切れない非行少年たち』を読みました

この本のタイトルを見て「何のこっちゃ?」と思われるかもしれませんが、非行少年はケーキを見ると切る前にむしゃぶりつくから切れないのです。丸ケーキなどを非行少年の目の前に持ってきたら「うがー!」と叫んで、琴奨菊も真っ青のがぶり寄りでケーキにむしゃぶりつくのです。結果、ケーキは切れません。

そんなわけはありません。ただ、非行少年に「3等分してね」とお願いすると、わけのわからん切り方しかできないそうです。ざっくり言うと、算数ができないから。

もっとざっくりと言うと、算数ができないし、国語もできないし、そもそも教科書が読めないから、イライラして問題行動を起こして非行に走るのだというのがこの本のポイントのひとつです。ざっくり言いすぎかもしれませんが、何でもざっくり言うのがぐわぐわ団のよいところです。細かいことはこの本を読んでください。

この本で面白いのはこのあたり。

そこで出てくる支援策で定番なのが「子どものいい所を見つけてあげて褒める」です。問題行動ばかり起こしている子は、どうしても悪い面にばかり目が向きがちなので、いい面も見つけてあげて褒めてあげる、小さなことでも褒める、または役割を与え、できたら褒める、といったものです。

そうだね〜、褒めるのはいいよね〜と頭ボケボケに読み進めていたら、これ。

そんなことで、本当に問題は解決するのでしょうか。

どうにかこうにか褒めたところで、根本的な問題が解決していないんだからダメでしょってズバッと斬る。ここで、ボケボケに読み進めていた頭がハッとします。

話を聞いてあげるも同じ。「勉強できなくてイライラしていたんだよね」と話を聞いてあげても、勉強ができない事実は変わらないとこれまたズバッと斬る。これがなかなかに刺激的で面白い。

自尊感情が低いのが問題だという考えにも、自尊感情が低いことは問題なのかと斬る。確かに、自尊感情が低い人はいっぱいいるし、自尊感情を上げるような支援が必要であるという言葉に対して、そんなことを言っているお前は自尊感情が高いんかいな?とキツいツッコミが入ります。

なかなかにワイルドな展開で突き進むこちらの本、決して万人向けとは言えませんし、読み方を間違うと非行少年に対して間違った理解をしてしまいそうなところもあるのですが、私は楽しく読ませて頂きました。

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この本と似たところがあるかもしれません。とりあえず、ぐわぐわ団を読んで文章を読む練習をしたらよいと思います。合掌。