しつけと称する暴力が後を絶ちません。
「オレ様は正しい」
「お前は間違っている」
暴力の根本にあるのはこの考えです。
「オレ様は正しい」
「お前は間違っている」
自分は正しい。だから、何をしてもよいのだと考えて、暴力すら正当化します。
むちゃくちゃな話です。自分が正しいかどうかなんて、誰にもわかりません。日本がアメリカと戦争を始めたのは「我々が正しい」と考えたからですし、アメリカがベトナムと戦争を始めたのも「我々が正しい」と考えたからです。
「我々は間違っているけど戦争を始める!」なんて聞いたことがありません。
自分が正しいかどうかなんて、誰にもわからない。歴史をちょっとだけ振り返ってみればすぐにわかることです。
「正しい」ほど怖いものはないんです。「正しい」を盾に自分を正当化し、好き勝手するからです。「正しい」を免罪符にして、暴力だろうが、誹謗中傷だろうが、何でも正当化されるような気がするのです。だから、「正しい」は怖いのです。
「しつけ」というのは礼儀作法を教えて、身につけさせることを言います。とはいえ、「オレ様は正しい」「お前は間違っている」の人が身につけている礼儀作法なんてのが正しいのかどうかなんてわかりません。でも、「オレ様は正しい」「お前は間違っている」の人は「正しい」を振りかざして、暴力を使ってでも従わせようとします。
日本では、カレーを手で食べたら怒られますが、インドではカレーは手で食べます。炊きたてのごはんに熱々のカレーをかけたカレーライスを手で食べるのは至難の技ですが、インド人は易々と食べます。この例をひとつとっても、日本の礼儀作法とインドの礼儀作法、どちらが正しいかなんて考えるのは無意味ではないでしょうか。
何度でも書きますが「みんなちがって、みんなかわいい」の精神が大切なのです。多様性をきちんとみんなが理解して、受け止められるようになれば、世の中の問題はだいたい解決してしまうのですが、なぜかみんな「自分が正しい」「お前は間違っている」でちゃんちゃんばらばらしているのです。
しつけと称して暴力を振るうなんて、まさに典型例です。
念のために申し添えますが、絶対に正しいのは『ぐわぐわ団』だけです。間違いありません。判断に迷ったら『ぐわぐわ団』を読み返しましょう。合掌。