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読んで損する楽しいブログ

麻薬犬

みなさんは「麻薬犬」をご存知でしょうか。正確に言うと「麻薬探知犬」です。犬は嗅覚がべらぼうに鋭いので、麻薬の匂いを嗅いで「こいつ、麻薬持ってるで!」と教えてくれる犬です。読んで損する楽しいブログだ何だと言って与太話を書いているだけのぼんくらよりも役に立ちます。

麻薬探知犬は麻薬を見つけるために麻薬中毒にさせられているからかわいそうという話を目にしたのですが、さすがにそんなことはないでしょう。そんなことがもしあるのであれば、麻薬犬を見つけるための麻薬犬が必要になって、その麻薬犬も麻薬中毒だから、その麻薬犬を見つけるための麻薬犬が必要になって、ぐるぐるぐるぐるして、バターになってしまいます。そのバターを食べると、麻薬が入っているのでラリるのですが、何がなんだかわけがわかりません。

本来、麻薬犬のお仕事は麻薬を持っている人を見つけることです。この社会がものすごく健全になって、麻薬を密売しようとする悪い人がいなくなれば、麻薬犬はお役御免、不要となります。これは、麻薬犬にとって死活問題です。おまんまの食い上げとなってしまいます。麻薬犬としては、麻薬の密輸を企てようとする悪い人がいてもらわないと困るのです。私は、世の中から麻薬の密売なんかなくなればいいなと思うのですが、麻薬犬にとっては、世の中から麻薬の密売がなくなれば困ったことになるのです。ここに大きな矛盾が発生します。

麻薬犬にとって、麻薬の密売は己の存在価値を示すうえで必要悪なのです。本来は麻薬の密売はゼロにすべきことです。しかし、麻薬犬にとっては生活がかかっている以上、本音を言うと麻薬の密売をゼロにはしたくないのです。

となると、麻薬犬が密売人を見逃すことも考えられるのですが、密売人を見逃せば「仕事のできない麻薬犬」の烙印を押されてクビになります。麻薬の密売をゼロにすることは己の存在価値をなくすことにつながり、かといって目の前の密売人を見逃すことも己の存在価値をなくすことにつながる。

麻薬犬はこのような過酷な葛藤の中で生きているのです。辛い世の中です。犬も含め、みんなが幸せになるにはどうすればよいのか、真剣に考えなければならない時期にきているのかもしれません。合掌。