ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

実篤との思い出

これは年寄りの戯言だと思って聞いてもらいたいと思います。

実篤と私は女学校で知り合った仲で、寄宿舎で相部屋となり、夜な夜なエロ双六をして遊んでいたのである。実篤は文章を書くのも達者であったが、絵手紙を描くのも随分達者であり、夏の休暇のヴァカンスの際に別荘に宛てて送られてきた実篤の絵手紙を大事に取ってあるが「人間だもの みつを」と書かれており、何のことやらさっぱりわからなかった。

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私たちの女学校には 「卒業の日、校庭のはずれにある古い大きな樹の下で、女の子から告白して生まれたカップルは永遠に幸せになれる」という伝説があり、卒業の日となると古い大きな樹の下は小池百合子が「密です!」と折檻するほどの3密になるのであるが、実篤から告白を受けるに至ったのである。しかしながら、私は彼との友情を大切にしたいと思い、その告白をきっぱりと断った。あの頑固そうな顔がごりごりと歪み、結果として大切な友情も壊れてしまったのである。

その後、実篤は小説家として大成し、「こころ」「羅生門」「D坂の殺人事件」といった小説で大ヒットを連発し、一躍時の人となり、テレビ、ラジオで大活躍。「武者小路実篤のオールナイトニッポン」は聴いていない人はいないというぐらいのブームを巻き起こした。

そんな実篤ブームを尻目に私はぐわぐわ団を結成。読んで損する楽しいブログを書き、4コマ漫画を描きながら、浅間山荘事件の中継を見ながら、カップラーメンが美味しそうだとよだれを垂らしていたのである。

そして、武者小路ブームが一段落したとき、彼は「友情」という、実に青臭いタイトルの小説を書き上げた。私は実は読んだこともなければ、あらすじも知らないのであるが、どうも私との女学校時代の思い出を小説にしたらしい。あのときの思い出を彼はどう書いたのか、気になるといえば嘘になるが、とりあえず他に読むものもたくさんあるし、無理に読む必要はないと思い、今に至る。合掌。