突然ですが、私と相方の間で『オツベルと象』が大ブームとなっています。
イラストは無視して頂いて結構です。
『オツベルと象』は宮沢賢治が書いた童話です。Wikipediaの説明はこんな感じ。
「オツベルと象」(オツベルとぞう)は、宮沢賢治の短編童話である。詩人尾形亀之助主催の雑誌『月曜』創刊号(1926年1月3日発行)に掲載された。賢治の数少ない生前発表童話の一つ。教科書にも広く収録されているほか、公文式の教材にもなっている。
宮沢賢治が生前、すなわち生まれる前に発表された童話です。どういうことかはあまり深く考えないようにしましょう。
『オツベルと象』は青空文庫で無料で読むことができますし、Kindleでも無料で読むことができます。
5分程度で読めてしまいますので、どんな話だったかなと思われる方はぜひぜひ読んでもらいたいです。最高の日本語が楽しめます。
ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。
「雑巾ほどあるオムレツ」という、めちょんこ美味しくなさそうな表現ですが、ほくほくしたのをたべるのだ、という言葉でなぜか美味しそうになるのです。誰かに「雑巾ほどあるオムレツを食べるかい?」と言われたら、百人中百人がお断りすると思うのですが、ほくほくしたのをたべるのだ、と書かれていたらなぜか食べたくなるのです。
とにかく、そうして、のんのんのんのんやっていた。
オツベルの仕事の様子です。のんのんのんのん。楽しい。何を表現しているのかは是非本を読んで確かめてください。
「お筆も紙もありませんよう。」象は細ういきれいな声で、しくしくしくしく泣き出した。
白象がお月さまに向かって話す言葉なのですが「お筆も紙もありませんよう。」という言い回しがきゅんとくるのです。「ペンと紙」ではダメです。お筆も紙も、でなければいけません。
さあ、もうみんな、嵐のように林の中をなきぬけて、グララアガア、グララアガア、野原の方へとんで行く。どいつもみんなきちがいだ。
仲間の象が白象を助けに行くシーンです。グララアガアという音、そして、どいつもみんなきちがいだ、が最高にロックです。
先ほども書きましたが、5分ほどで読めますので、前に読んだという方もぜひ読んでみてください。ストーリーは勧善懲悪モノで楽しいです。合掌。