『風の谷のナウシカ』が歌舞伎となって上演される時代になりました。どうせイロモノだろうとたかを括っていたのですが、いざ観てみるとものすごくものすごい舞台で、歌舞伎の世界にナウシカの世界がピタッと合わさっているのです。とりあえずユパ様がめっちょこかっちょよかったです。水の中での立ち回りたるやもう、心高鳴りまくりです。歌舞伎ヤバい。
何年生きていても自分の世界というのはとても狭くて、自分の枠というのはとても小さいのです。自分の考えなど取るに足りないと常日頃から自覚しておかなければ、歌舞伎のナウシカのような新しい世界を知るチャンスを逃してしまうのです。
似たような話ですが、最近テレビでらくらくスマホのCMを見たのです。
「このスマホ、ハンドソープで洗えるんですよ！」
商品の売りが「洗えること」なのです。性能云々ではなく、ハンドソープで洗えるかららくらくスマホを買ってね！と宣伝しているわけです。私の常識ではスマホというのは価格と性能で勝負するものであって、高いけれども動作がキビキビしているとか、すごいことができるとか、逆にそこそこ動くけれどもコスパがよいとか、そのバランスの中で比較して機種を選ぶべきだと思っていました。
そんな中、いきなり「このスマホ、ハンドソープで洗えるんです！」と言われたらびっくりするわけです。何を突然言い出すんだ！って。価格でもなく、性能でもなく、別の価値観で勝負されたらひとたまりもありません。「洗えるのならいいなぁ」と思う人もいるでしょう。特に例のウイルスのせいで価値観がずるずるに歪んできているこの世の中、洗えることに重きを置く人がいないどころか、結構ニーズがあるんじゃないかなと思うわけです。
というわけで、自分の常識は間違っているぐらいのスタンスでいたほうがよいのではないかと思うのです。自分の考えに凝り固まっていては新しい世界は見えてきませんし、新しい価値観に巡り会うこともありません。ただし、スマホを洗えるかどうかで選ぶつもりは毛頭ありません。合掌。
