ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

フランス語で考える

私がフランスから日本に移住してきてから結構な年月が経ちました。日本に来た当初はまだちょんまげを結った男が刀を持ってうろうろしており、イギリス人が斬りつけられるという生麦生米生卵事件なんかも起こって物騒だったことを思い出します。

しかし、時代は令和となり、日本もかなりインターナショナルになりました。フランス料理も身近になり、サイゼリヤで安価に私の故郷の料理が楽しめることは純粋に嬉しい限りです。

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とはいえ、私の母語はフランス語であり、だいぶ慣れてきたとはいえ日本語はやはり難しいです。私の頭ではまずフランス語で物事を考え、日本語に置き換えたうえで話をしたり、文章を書いたりしています。逆に日本語で話を聞くときや文章を読むときは、頭の中でフランス語に翻訳したうえで理解をしています。長い間、日本に住んでいますが、やはり母語がフランス語である以上、フランス語で理解することになります。ですから、ぐわぐわ団の文章を書いていても、日本語として不自然な表現があったり、理解しにくいことがあったりすることもあるかと思いますが、こういった事情によるものですのでご理解頂ければ幸いです。

じゃあフランス語でブログを書けばいいじゃんと思われるかもしれませんが、日本での生活が長いこともあり、フランス語で考えたことを瞬時に日本語に翻訳してしまうため、フランス語で文章を書くのは逆に難しくなってしまいました。フランス人が話しかけてきても、日本語をフランス語に翻訳するのは簡単にできるのですが、私の脳はフランス語をフランス語に翻訳しようとしてしまうため、途端にわけがわからなくなってしまうのです。

フランス語が母語であることがデメリットになってしまっているようです。

私のような例は特殊なのだと思いますが、やはり母語は大切にしないといけません。幼児教育ということで小さい時から英語教育に力を入れたりする日本人家庭も多いと聞きます。しかし、母語をないがしろにしてしまうと、日本語も中途半端、英語も中途半端になってしまい、頭の中がルー大柴のような子どもになってしまうだけなのです。この問題はとてもデリケートでディフィカルトなプロブレムです。私はフランス語が母語でも困りませんが、それは隠れたところでものすごい努力をしているからであって、日本で暮らすのであれば、やはり母語は日本語であるほうがよいでしょう。

とりあえず、フランス人は私にフランス語ではなく日本語で話しかけてくるように。合掌。