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前掛け

歯医者さんに行くと「ちょっと失礼しますね〜」と言われて、前掛けをつけられます。

赤ちゃんがごはんを食べるとき、服をよごさないようにつける、あの前掛けです。赤ちゃんはイヤがって「ムキー!」と叫んで前掛けをはずそうとすることもありますが、お腹が空いているときは前掛けなんて気にせずにがつがつとごはんを食べます。そして、前掛けをべろんべろんによごしてしまいます。赤ちゃんだから仕方がないのですが、前掛けをつけておいてよかったと思うことがほとんどです。

一方、私は赤ちゃんではありません。もしかしたら赤ちゃんなのかもしれませんが、世の中の定義から言うと赤ちゃんの範疇からは若干はずれているような気がします。もし、「貴方は赤ちゃんだ!」と仰る方がいらっしゃったら連絡を頂ければ幸いです。とはいえ、赤ちゃんですということにしてしまうと話が一向に前に進まないので、とりあえず赤ちゃんではないという前提で話を進めさせていただきます。ご了承ください。

歯医者さんの前掛けなのですが、なんだかんだであの前掛けがべろんべろんによごれたことがないのです。親知らずを抜いたときもそうでした。細かい水が飛んでいるのかもしれませんが、なんか別に前掛けがしめっているなんてこともなく、最後「じゃあ前掛け取りますね〜」と言われて前掛けを回収されるときも、最初につけたときとそう変わりません。

前掛けというのは本来、着ている服をよごさないようにつけるもので、逆に言うと前掛けはよごれてはじめて前掛けの存在価値が生まれるのです。布製の前掛けであれば汚れていないのにクリーニングをしないといけませんし、使い捨ての前掛けであればぽんぽん捨てることになります。これはちっともエコロジーではありません。SDGsでもありません。

一時期、「マイ箸」なんて言葉が流行りましたが、今こそ「マイ前掛け」を持ち歩く運動をはじめてはどうでしょうか。歯医者さんで「ちょっと失礼しますね〜」と言われたときに「いや、自分の前掛けがあるので自分でつけます」と言ったら、「この人は地球のことを考えている!」とめっちょこ尊敬されるかもしれません。マイ前掛け、いかがでしょうか。合掌。

【酒屋の前掛け】二階堂