い〜つの〜こ〜と〜だ〜か〜 思い出せない。
この「い〜つの〜こ〜と〜だ〜か〜 おもいだ〜し〜て〜ご〜らん〜」という歌は『思い出のアルバム』というタイトルで、小学校で歌ったという人も多いかもしれません。特に昭和の時代に小学生だった人はよく知っているのではないでしょうか。平成とか令和は知らん。
とはいえ、この歌はものすごくものすごい非論理的というか、ロジスティックに考えれば考えるほどもんにょり大爆発なのです。
5W1Hという考え方はご存知でしょうか。誰かに対して何かを伝えるときに気をつけるべきことをまとめたもので「When(いつ) Where(どこで) Who(誰が) What(何を) Why(なぜ)How(どのように)」の頭文字をとって5W1Hとよばれています。この5W1Hをきっちり入れて説明をすることで過不足のない情報伝達が可能となる、というものです。ぐわぐわ団も常に5W1Hを念頭に置いて記事が書かれており、わかりやすいと評判です。
さて、『思い出のアルバム』の話に戻ります。「いつのことだか思い出してごらん」で歌が始まるのですが、困ったことに When(いつ)しかないのです。もっとも大切な What(何を)がないのです。つまり、いつのことだか思い出そうにも、何を思い出したらいいのかわからないのです。この歌詞の後に「あんなこと こんなこと あったでしょう」と続くのですが、あんなこともこんなことも指示語でしかなく、What(何を)を指し示すものではありません。つまり、何がなんだかわからないことを思い出せと言っているのです。こんな不条理なことがあるでしょうか。
「うれしかったこと かなしかったこと いつになっても わすれない」で歌の1番は終わるのですが、何かわからないのに嬉しいも悲しいもへったくれもないのです。漠然といつのことだか思い出してごらんと言われても「何を?」となって頭ラリラリになり、あんなこと、こんなこととか指示語で曖昧にされたまま、感情の起伏を忘れないなどと言われても、クスリでもやっていないとどうにもならないのです。責任者、出てこ〜い!おかあちゃん、ごめん!合掌。