ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

深瓜大王、深瓜をやめる

私は今までずっと深瓜をしてきました。恥の多い人生でした。

深瓜であればあるほど美しいと思っておりました。瓜の先っちょの白いところが1ミリを超えると「これはもう切らなければならない」という強迫観念に囚われ、すぐに瓜切りを使ってパチパチと切り始めていたのです。先日、ハルカス300の展望台でお土産のガラスの瓜磨きを買ったので、意気揚々と瓜を削りまくり、とにかくすげぇことになっていたのです。

そんなこんなで深瓜大王として生きてきたのですが、先日NHK、日本えっち協会の番組で「瓜を切りすぎてはいけない」みたいなことを言っていて、そこで瓜を研究して80年とかいう瓜仙人みたいな皮膚科の先生が「みんなすぐに瓜を切りたがる!」と激怒しておられたのです。

そして、指先がかさかさの人とか、とにかく指先が割れてツラい人とかが集まって、とにかく1ヶ月瓜を切らないでくださいという命令が下り、実際に1ヶ月瓜を切らずにいたところ、みんな指先はてっかてかになるわ、指先が割れなくなるわ、缶コーヒーも簡単に開けられるようになるわで、本当にみんなにこにこの笑顔で、もしかして私は今まで間違っていたのかもしれないと深く後悔の念に囚われたのです。恥の多い人生でした。

というのも、最近私も指先がかさかさだし、ところどころ割れたりしているし、どうにかならんかなと思っていたところだったのです。というわけで、一念発起して瓜を切らないと決めたのです。たぶん、2週間近くは過ぎているはずです。

もうね、今までがずっと深瓜だったから気色悪いというか、気持ち的にはもにょもにょするんです。3秒に1度は「瓜を切りたい」と思っているぐらい。石川啄木じゃないんだからそんなにじっと手を見なくてもと思うけれども、じっと手を見る。相方に「ずっと手を見ている」と注意されたぐらいに手を見ている、手というか瓜を見ているのですが、とにかく瓜を切りたい欲求をどうにかしようと、形を整えたり、ちょっと削って丸みを出したり、そういうことをして過ごしているのです。

インドのスリドハー・チラルさんみたいに66年伸ばしたりするつもりはありませんが、適当な長さになったら切りたいと思います。合掌。