かつみ・さゆりの『津軽海峡 冬景色』は、本当にたくさんの人がご存知の名曲ですが、残念なことに津軽海峡=冬景色のイメージが強くなりすぎて、本当は津軽海峡は夏のほうが素晴らしいという事実が置き去りにされているのが残念でなりません。
まず、上野発の夜行列車なんて今の時代はありません。その代わりに夜行バス『パンダ号』があります。通常運賃が4,500円という超破格なお値段で上野から青森まで行くことができます。4列シートでトイレなしという過酷な条件ではありますが、途中3箇所のサービスエリアでトイレ休憩がありますから心配ご無用です。4,500円で津軽海峡夏景色を楽しむことができるのですから文句を言ってはいけません。
そして、津軽海峡の夏は意外と暑く、雪など一粒たりとも残ってはいません。カンカンに暑く、朝は朝日が眩しくてサングラスが必須です。バスを降りる人たちはみんなバスにやられて無口ではありますが、別に津軽海峡が悪いわけではありません。
もちろん夏ですから、凍えそうなカモメなんていません。逆にフラミンゴがわんさかいます。夏の津軽海峡はフラミンゴのピンク色に染まり、とても華やかで美しく、みんながニコニコして見つめているのです。泣いている人など誰もいません。幸せな光景が広がっています。
竜飛岬も夏はめちょんこ賑わっています。毎日酒池肉林のどんちゃん騒ぎが繰り広げられており、夏の間はねぶたが毎日練り歩き、ヒマを持て余している岸和田のだんじりも竜飛岬でやり回しの練習に明け暮れています。具がほとんど何にも入っていない、そして色がつけばOKぐらいの量しかソースが入っていない焼きそばが600円というハイプライスでヤクザの手によって売られているものの、みんな浮かれまくっているので600円という値段でも飛ぶように売れます。それほど竜飛岬は楽しい場所なのです。
そんなわけで、津軽海峡の夏景色はとても素晴らしいので、みなさんもぜひ一度『パンダ号』に乗って行きましょう。合掌。