デパ地下閉店30分前というのは私にとってはパラダイスのような場所であり、かつ難しい判断を強いられる厳しい場所でもあるのです。
というのも、お弁当が3割引は当たり前、モノによっては半額になったりします。東京風鰻料理のお店のお弁当「きんぴらと錦糸卵の鰻弁当」1,260円が半額になることがあります。
夕飯を考えるのが面倒なとき、こういうお弁当を買って帰ることがあります。今回はうまく買うことができましたが、デパ地下30分前というのは野生の王国で、一瞬の判断の迷いによって他の人に買われてしまうなんてことがあるのです。
お弁当ではありませんが、焼肉用のお肉が半額で売られていた時、私は即「ここにあるだけ全部ください!」と言い放ち、全てをかっさらったのですが(もちろんお金はお支払いしました)、そのすぐ後に甲高い声のおばちゃんが「ここのあったお肉はぁ?」「さっき全部売り切れました」「ええ〜!」というやりとりを店員さんとしておりました。全部売り切れた犯人がここにいるわけですが、店員さんはさすが個人情報保護に敏感なのか「こちらの方が」と添えることもなく、我が身は安心でした。もし「こちらの方が全部お買い上げになられました」と言ったが最後、刺されて肉を奪われてしまったかもしれません。
ちなみに「きんぴらと錦糸卵の鰻弁当」は私が二つ買ったので売り切れてしまいました。もし、他にこのお弁当を狙っていた人がいたとしたらご愁傷様でした。ひっひっひ……
お弁当はめちょんこ美味しかったです。お値段こそ半額ですが、鰻の味が半分になるわけでもありません。美味しいモノは美味しいのです。ただ、狙って買えるかというとそんなこともなく、日頃の行いの良さによるとしか言いようがありません。
私の父親も安くなった商品を買って帰ってくることが好きだったようで、めちょんこ新鮮なでっかい太刀魚を安値でニコニコして買ってきて、誰がこんな細長くて気持ち悪い魚を料理するのよ!と母親にしこたま怒られていたことを思い出します。合掌。