みなさんはコロンブスのたまごをご存知でしょうか。
温めて孵化させるとコロンブスが産まれます。それがコロンブスのたまごなのです。とはいえ、別にコロンブスが産まれてもあんまり嬉しくもないのが事実です。インドに行くつもりが何をとち狂ったのか知りませんが東と西を間違えて、今のアメリカ大陸を見つけたとか言っていますが、もともとアメリカ大陸はあったのです。存在していたのです。ヨーロッパ人が西に大陸があるのを知ったという、ただそれだけなのです。
にも関わらず、コロンブスはアメリカ大陸を発見したと言われて後世に名を残すことになったのです。なんでやねん、もともとアメリカ大陸に住んでいた人たちのことをインド人だと勘違いしてインディアンなんて言い出すし。胸にひまわりの花を刺している漫才師じゃないんだから、そんな間違いはしないでいただきたい。
とはいえ、それに腹を立てて「俺たちはインディアンズじゃねぇ、ネイティブアメリカンだ!」と言って言い直させるのも目糞鼻糞を笑う五十歩百歩、餃子一日百万個みたいなもので、言い方なんてのは本当にどうでもよいことなのです。言葉ではなく、大切なのは中身。名前がいくらキラキラネームでも、中身がちゃんとしていたら評価されて然るべきなのです。
しかし、この世は知辛い。キラキラネームであったなら、おそらくどうにもこうにも会う前からもんにょりされてしまうのも事実です。狼論武須(ころんぶす)なんて名前を子どもにつけてしまったが最後、子どもは将来ヤクザの若頭となってしまうことでしょう。女の子だったら陰で「コロンブスだって、ひでぇ名前!」と言われて、名前の下の部分である「ブス」だけで呼ばれてしまうことにもなりかねません。こうなるといじめです。しかし、そのいじめの引き金を引いたのは親がつけた名前なのです。
皆さま方におかれましては、何卒コロンブスのたまごを見つけても放置し、コロンブスを孵化させることのないよう、ご注意いただけますと幸いでございます。合掌。