プロレスにはベビーフェイスとヒールという分類があります。簡単に言うと良い奴と悪い奴なのですが、この分け方のおかげで試合を見るのが楽しくなるのです。
ただ単に試合を見ているより、こいつは良い奴で悪い奴をぶっ倒す!みたいな構図があると面白さが増すのです。そして、悪い奴が勝つ、勝つ、勝つで巡業を進めて観客のフラストレーションを溜めつつ、シリーズ最後の大きな会場で良い奴が勝って観客のフラストレーションを解消させるという展開になるのです。みんなが水戸黄門だったら話にならないのと同じです。悪い奴がいるからこそ物語が作られ、みんなの興味を引くのです。
さて、相撲の世界でははっきりとベビーフェイスとヒールは分けられていません。とはいえ、それぞれの力士の持つ雰囲気でベビーフェイスとヒールがじんわりと分けられていると言っても過言ではありません。また、その取組によってベビーフェイスとヒールの役割が変わるなんてこともあります。
絶対的なヒールだったのが朝青龍でした。あまりにも強い、素行が悪い、骨折しているのにサッカーをする等、ヒール要素が満載でした。だから相対的に白鵬がベビーフェイスになっていたのですが、朝青龍が引退してから、あまりにもバンバン勝ちまくるし、勝ち方もエゲツないカチ上げを使った勝ち方をしだしてヒールになっていきました。最終的にはガッチガチのヒール横綱となってしまいましたが、ベビーフェイス横綱として期待された稀勢の里は横綱になって優勝して最高の盛り上がりを見せたものの既にパワーを使い果たして引退。ベビーフェイスとして白鵬に対抗できる力士がいないまま引退し、今の相撲界は何となくもんにょりしている感じなのです。
ベビーフェイス照ノ富士も体調が悪く毎場所出場ができない状態で本来であれば引退すべきだと思うのですが、横綱不在という状態が生まれることに躊躇いがあるのか引退には踏み切れません。
大の里もベビーフェイス大関ではありますが今場所はころころと要所で負けており、優勝できそうな雰囲気はなく、ヒール大関である豊昇龍がどうにか場所を締めているといったところでしょうか。
話がまとまらないので適当にお茶を濁して終わりますが、強いのはわかっているのでウラジミール・プーチンをヒールの横綱として招聘すれば、相撲界はかなり盛り上がるのではないでしょういか。ちょうどウクライナ出身の獅子というベビーフェイス力士も初入幕していますし、ぜひ取り組んでもらいたいと思います、しょっきりで。合掌。