シリアの首都ダマスカスに反政府勢力が押し寄せ、アサド政権が崩壊しました。この文章を書いている時点ではアサド大統領はロシアの軍事基地に避難してモスクワに向かっているとのことです。モスクワの味『パルナス』のお菓子を楽しみにしているのかもしれません。
シリア問題はとても複雑で、「アラブの春」とよばれる中東の民主化運動でチュニジアは民主化を果たしたものの、カダフィ大佐が統治していたリビアは崩壊して内戦状態になったり、イエメンなんかも紛争状態になったり、とにかくむちゃくちゃ混乱しまくってた最中になぜかやたら持ち堪えていた国がシリアなのです。ロシアが政府に加担していたことも大きく、内戦はちっとも終わりを迎えず、人道的にも悲惨なことになっていました。
とはいえ、アサド大統領の亡命によりシリアが落ち着きを取り戻すのかというとそう簡単にはいきません。カダフィ大佐亡き後のリビアなんてぐっちゃぐちゃのめっちゃくちゃで、カダフィ大佐がいたほうがよかったやんみたいな声もあるようです。チュニジアも民主化を果たしたとはいえ経済的に厳しく、若者がヨーロッパに流れていくみたいなことになり、「アラブの春」と言葉はきれいに聞こえるものの、決して良い結果を生み出してはいません。
そもそも論として民主主義が本当に最良なのかという問題があるのです。独裁者が好き勝手しているほうが国がうまく回るなんてことは多々あることで、今は悲惨なことになっているベネズエラもチャベス大統領の時は国民みんなが幸せでしたし、カダフィ大佐がいたころのリビアも決して地獄だったわけではありません。アホが独裁すると悲惨なことになるだけで、そこそこの人が節度をもって独裁すると逆に国が良くなるなんてことも起きるのです。なんでもかんでも西洋のモノがいいわけではありません。
日本も徳川幕府は独裁政権といえば独裁政権でしたが400年間内乱も起きず平和でした。徳川吉宗が暴れん坊でマツケンサンバを踊っていたのはよい時代だったのです。とりあえずシリアの今後の行方に注目したいところですが、混乱が続くようなら指導者になってやってもよい。ただしテレワークで。合掌。