Switch2はまだ手元にありませんが、これは任天堂に対する熱量が足りないからだという自戒の念を込めて『任天堂“驚き”を生む方程式』という本を読みました。
出版されたのは2009年5月11日と古く、書かれている時期はニンテンドーDSやらWiiなんかが売れている時期でSwitch2のスの字も出てきませんし、社長が岩田さんになって数年経った頃の話なのですが、内容はめちょんこ面白いです。
特に任天堂の三代目社長である山内溥に直接インタビューした文章があるのが貴重です。横井軍平さんや岩田さんにフォーカスした本はあるのですが、任天堂を50年以上引っ張った一番の立役者がどんな人だったのかを書いた本を読んだことがなくて、一番重要なポジションの人のことをよくわかっていなかったのです。
どんな人だったかに関しては実際に読んでもらったほうがよいと思うのですが、直感を大事にする人であり、かつ、めちょんこ厳しい人、そしてワンマン経営者であるということです。よくワンマン経営者はよくないと言われていますが、この方こそワンマン経営者の中のワンマン経営者でありつつ、それが良い方向に作用した例じゃないかなと思います。ファミコンにしても、ゲームボーイにしても、社長が「これでいく!」と腹を括ったからこそできたモノであって、ワンマン経営者だからこそ突き進めたと言えるでしょう。
そんなワンマン経営者でありつつも、任天堂は世代交代がきちんとできた稀有な例とも言えます。ファーストリテイリングや日本電産といったワンマンカリスマ経営者が率いる会社が今も後継者を育てられずにきゅうきゅうとしていますが、任天堂は岩田聡という全然毛色が違う人を後継者として指名し、岩田さんがそれに応えて任天堂はより大きくなりました。これまたすごいことだなぁと思っています。
ぐわぐわ団もそろそろ後継者を育てなければならないと考えているのですが、読んで損する楽しい文章が書けて、4コマ漫画を毎日ずーっと継続して描ける、中島らもと植田まさしを足して四捨五入したような人がそうそう見つかるはずもありません。ていうか、私自身まだまだ中島らもと植田まさしの足下にも及びませんが、いつかそういう人が見つかったらぐわぐわ団を託したいと思いますし、任天堂のことを褒めたので次のSwitch2の抽選は当たってほしいものです。合掌。