近くのイトーヨーカドーで売っていたのです、「お福餅」が。

創業元文三年の伊勢名物です。元文三年というのは西暦で1738年、ちょうど暴れん坊将軍徳川吉宗の後釜である徳川家重の時代です。江戸中期といったほうがわかりやすいかもしれません。つまり、かなり歴史のあるお菓子であると言えます。京都人は「まだまだひよっこどすなぁ」と言うかもしれませんが、京都人を相手にしてはいけません。彼らは応仁の乱より前が戦前、応仁の乱より後が戦後と言うほどの人たちです。
そして、この「お福餅」によく似た伊勢名物が「赤福」です。赤福は宝永四年、西暦1707年創業で、お福餅よりも30年ほどまえに創業しております。よく「お福餅」が 赤福のパクリなどという心無いコトを言う人もいますが、ぶっちゃけ江戸時代のことですし、どっちがパクったとかそういう次元の話ではなく、ただただ「よく似たあんころ餅が伊勢周辺で作られていて、それが現代まで生き残った」と考えるのが自然です。
箱を開けて、お福餅を見てみたのですが波打ったあんこの感じがまさに赤福そのものではあったのですが、モチーフは餅と漉し餡を組み合わせた形で、「二見浦の波」「打ち寄せる波」を模した波模様、一方の赤福は独特の餡の波模様が「五十鈴川の清流」を表現していると言われており、まったくモチーフが違っているのです。結果としてよく似ているだけであって、パクリとかそういう次元の話ではないことは両社の主張からも明らかです。
実際に食してみた結果ですが、お福餅はなんとなくお餅がしっかりしている感じがしました。その前に夕食でやっぱりステーキの「やわらかステーキ」を食べたからかもしれませんが、やっぱりステーキといきなりステーキが似て非なるものであるのは自明の理であるように、お福餅と赤福は全くの別モノと言ってよいでしょう。どちらも美味しい。それでよいのではないでしょうか。見つけた際はぜひ赤福と一緒に買って比べてみてください。合掌。