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辞書の力

英語の成績を上げるため、英語の先生に「まずは辞書を引くように!」と教えられました。当時、中学生だった私は純真無垢だったこともあり、徹底して辞書を引きました。確か、ジーニアス英和辞典だったと思います。教科書に出てくる単語を片っ端から辞書を引き、意味を確認していったのです。どんどん辞書を引いていった結果、辞書はボロボロになりました。

ただ、英語の先生は大切なことを教えてくれませんでした。辞書を引いたら、その単語の意味を覚えることを。辞書を引いて、意味がわかって答えが出たら、脳内ハードディスクに保存しておけばよいのですが、当時はハードディスクなどなく、記憶媒体といえばフロッピーディスクでしたからね。いちいち、脳内フロッピーディスクを抜き差しして、がっちゃこがっちゃこしている暇があったら、辞書を引いたほうが早いということになってしまい、私のCPUは電源を落としたらきれいさっぱり消えてしまうメモリーの中だけで英語を処理するようになったのです。

辞書は間違いなくボロボロになります。どんな単語でも数秒で発見できるような特殊技術も身につけました。ただし、脳内フロッピーディスクに英語は記憶されず、本来であれば記憶されてしかるべき英単語がどんどん増えていく一方で、都度辞書を引くなどという作業が追いつかなくなり、気がつけば英語のテストの点数は下がる一方です。

このことに気がついたのが、つい最近のことです。そういや、なんであんなに辞書引いてたのに、英語の成績がボロボロだったんだろうなぁと思い返してみるに、上記のような理由だったわけです。

浪人生活の1年間だけは、毎日ラジオ英会話を聴いて、テキストを何度も何度も口に出して読み返し、英語の文章を見て、いくつか知っている単語を中から見つけることで、文章そのものを推測するという、これまた特殊技術を身につけたおかげで、そこそこ英語の成績は上がったのですが、それとて脳内フロッピーディスクに記憶されている英単語なんてのはほんの少しです。浪人生活が終了し、英語の勉強から解き放たれた瞬間に英語力など、どこかにいってしまいました。英語で話しかけられても、全力で日本語で意味をわからせる、もしくはあきらめさせるという特殊能力というか、力技でもって何とかしているわけですが、大切なことですので、ぜひ覚えておいてください。英単語はきっちり覚えましょう。富永一朗先生の「試験に出る英単語」で!合掌。