「ぎゃー!」
という声があべのキューズモールの中に響き渡って、どうも有名人がいたようです。そんでもって、女性が「ぎゃー!」と叫んだと。えらいことです。
というわけで、目の前に急に誰かが現れたとして「ぎゃー!」と叫ぶぐらいの人って誰だろうと思ったわけです。私のひい婆さんが目の前に現れたら「ぎゃー!」と叫ぶかもしれませんが、それは別の意味で「ぎゃー!」。すでに何十年も前にお亡くなりになっていますから。
ひい婆さんが住んでいた家に一度だけ泊まったことがあるのですが、どういうシチュエーションだったかはさっぱり覚えていません。ただ、部屋に飾っているモナリザの絵がめっちょこ怖くて泣きそうだったのだけは覚えています。モナリザの絵って、なんであんなに怖いんでしょう。ていうか、ひい婆さんがなぜ、モナリザの絵を飾っていたのでしょう。よくわかりません。モナリザが好きだったんでしょうか、そんな西洋画が好きだったとか、聞いたこともありません。
慣れない家で、しかも古い家ですよ、夜になると暗くて怖いんです。そんな家にモナリザですからねぇ、もう怖がらせようとして飾っていたとしか思えないんですが、目の前にひい婆さんが出てきたら、とりあえずあのモナリザの絵はなんだったんだ?と問いたださねばならないと思っています。
あと、水道のひねるところが変な形をしていて怖かったです。ひい婆さんの顔も覚えていないのに、モナリザの絵と水道のひねるところが変な形をしていたことだけは覚えているので、よっぽどだったのでしょう。よくわかりませんが。
というわけで、生きている人限定で、誰が目の前に来たら「ぎゃー!」と叫ぶかを考えてみようと思います。
広末涼子だ。
叫ぶと思う。どういう理由で叫ぶのかはわからないけれど、本能で叫んでしまいそうな気がする。たぶん、恐れ多くて何も話もできないと思いますが「頑張ってください!」と言いそうな気がする。何を、どう、頑張れというのか、さっぱりわからないし、初めて会った人からいきなり「頑張れ」と言われても、それは広末涼子にとって無意味なことでしかないのは承知のうえで、全力を振り絞って口にできる言葉がたぶん「頑張ってください!」ではないかなと思うのです。
突然、赤の他人が目の前にやってきて「頑張ってください!」と言われて、どう思うかですよね。意識高い系の人なら「頑張ります!」と言うのかもしれませんが、私なら「は、はぁ……」とドギマギするだけだと思います。ドギマギしますので、私に会っても頑張ってくださいとは言わないでください。合掌。