今週のお題「感謝したいこと」
みなさんはあまりご存知ないかもしれませんが、膳所錦(ぜぜにしき)という力士に感謝することがよろしいかと思います。
病気の少年がもう手術なんてしないと駄々をこねていた時に偶然出くわした膳所錦は少年に上手出し投げで勝ちました。
「あの葉っぱが全部散るとき、私の命も散るの」と少女が戯言を言っていた時に偶然出くわした膳所錦は少女に浴びせ倒しで勝ちました。
「きっとホームランを打つから!」と手術前の少年を励ましていた野球選手に対して偶然出くわした膳所錦は右のおっつけからの押し出しで勝ちました。
容赦なく勝ちに行くスタイルは賛否両論あろうかと思いますが、とにかく勝ちにこだわり、どんな名場面であろうとも相撲で勝負するハングリーな姿勢は見習うべきでしょう。そして、感謝すべきなのです。
もし仮に、病気の少年がもう手術なんてしないと駄々をこねていたときに膳所錦が上手出し投げを出さなかったらどうなったでしょう。おそらく、少年の勝ちになります。
もし仮に「あの葉っぱが全部散る時、私の命も散るの」と少女が戯言を言っていた時に膳所錦が浴びせ倒しで勝たなければどうなっていたでしょう。おそらく、少女の勝ちです。
もちろん、野球選手に対して膳所錦が押し出さなければ、野球選手が勝っていたはずです。
勝負というのは勝ちか負けです。この前のマイク・タイソンの試合は引き分けに終わりましたが、よっぽどのことがないと勝ちか負けかが決まります。みんな1位だとか、順位はつけないとか、そういう教育はアホの極地であり、相撲を取る以上は勝つか負けるか引き分けるかどちらかなのです。
膳所錦は土俵の上でも土俵の下でも常に力士であり続けました。そして、渋谷の駅前でずっと親方の帰りを待ち続け、3人で一杯のかけそばを食べたり、そういうことをいろいろとしたので、来年の春の受勲において何らかの勲章がもらえるのではないかと思われます。感謝しましょう。合掌。