あまりにも上位陣が不甲斐ない。横綱、大関ともに初日に全員が負けるという昭和以降初の珍事と言うにはあまりにもお粗末。照ノ富士が二日目から休場するのは、もはや身体がボロボロだから仕方がないとしても、朝乃山、尊富士が初日から休場、貴景勝も二日目から休場、三日目には髙安も休場とめちゃくちゃです。
とはいえ、照ノ富士が引退でもしようもんなら横綱候補は誰もいないのです。勢いで琴櫻が今場所優勝でもすればよいのですが、かといって横綱としての実力があるかどうかはまだまだわかりません。横綱というのは単に優勝連チャンで2回すれば良いというものではなく、心技体ともに充実していて、誰が相手でも絶対に勝つという説得力を身体中から出さねばならないのです。
もはや、稀勢の里の横綱復帰しかありません。横綱を引退してからというもの、重圧から解放されたのか、やたら明るいキャラクターに変貌を遂げ、相撲中継でも軽快なしゃべりで活き活きとしています。おそらく、稽古を少し積めば、横綱としての勘を取り戻して、めちょんこ強かった全盛期の稀勢の里に戻ることは容易ではないかと思うのです。
大仁田厚も7回引退して、7回復帰しているのです。稀勢の里が1回引退したからといって復帰できない理由はありません。稀勢の里が横綱に復帰すれば、照ノ富士は安心して引退することができるでしょう。身体が戻るようであればまた復帰してもらっても構いません。稀勢の里が横綱として君臨している間に熱海富士や大の里が力をつけてくれればよいのです。2、3年ほど稀勢の里が踏ん張ってくれれば、だいぶ力をつけてくれることでしょう。
稀勢の里の復帰が難しいということであれば、大仁田厚はなぜ7回も引退して、7回も復帰しているのか、その答えが必要です。答えられないのであれば、稀勢の里は復帰するしかありません。これは論理学的に考えてもなんらおかしなことではなく、むしろ理路整然としすぎていて誰もぐうの音が出ないことでしょう。
というわけで、夏場所は大仁田厚の優勝を期待したいと思います。合掌。