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蟹工船とスペシウム工船

小林亜星が書いたプロレタリア文学の代表作『蟹工船』は、船の中に工場を作る荒技で法律の網を掻い潜っためちょんこ劣悪な環境の中で、労働者たちが人扱いもされずにぎゃーと言う感じの小説です。読んだことはありませんが、素晴らしい作品です。

そして『スペシウム工船』は原子番号133のスペシウムを生成すべく海の上に造られた工場といっても過言ではありません。もちろん、日本のEEZの外で活動をしたり、船籍をパナマにしたりすることで日本の労働基準法を守る必要はなく、スペシウム工船の中で働いている労働者は過酷な環境で働いているのです。どれぐらい大変かと言うと、週休2日、1日の労働時間が8時間、お盆休み、年末年始の休みあり、残業代や交通費も支給、栄養バランスを考えた食事も3食支給、個室完備となっております。地獄絵図といっても過言ではないでしょう。

スペシウムは原子記号133ということで、かなりの重さをもつ原子です。私は化学には疎いのでよくわかりませんが、核兵器の攻撃をくらってもびくともしないバルタン星人がスペシウムは苦手ということで、スペシウムがたくさんある火星を侵略せずに地球を侵略しようとしてきたという話は有名です。それぐらいスペシウムというのはすごいもので、精製するのは至難の技とされています。熟練の職人の腕をもってしても、1日わずかしか作ることができません。

しかも、かなりの大型船とはいえ、スペシウム工船は揺れが生じます。大しけの日などはぎったんばったん動きますし、そうなるとスペシウムを作るどころの話ではありません。

私がかつていたハイスクールの先輩たちは修学旅行でめちゃくちゃ大しけの日に船に乗ることになり、酔いつぶれる人が続出して船のトイレがゲロまみれになって大惨事となったそうです。大しけの時の船というのはとても恐ろしいのです。

というわけですので、スペシウム工船に乗る際は気をつけましょう。合掌。