
濃厚接触者
例のウイルスが猛威を振るっていたときに毎日のように耳にした「濃厚接触者」というコトバ。今思い返せば、なんかめちょんこおもしろくないですか?不謹慎かもしれませんが、例えば電車の横に座っている女子校生の耳元にそっと「濃厚接触者」と囁いてみましょう。すぐに警察にしょっぴかれます。会社の新入社員の子に酒宴の席で「今日はキミの濃厚接触者になっちゃうぞ!」と口にした瞬間に懲戒免職です。恐ろしいコトバではありますが、普通に「濃厚接触者」というコトバそのものはおもしろいと思ってしまうのです。

だって、めちょんここってりしているではありませんか、濃厚接触者。なんといっても濃厚ですから。天下一品のこってりラーメンぐらいにこってりしています。接触者であれば、まぁあっさりかこっさりぐらいでしょうが、濃厚が前にくるとそりゃあもうこってりスープになってしまいます。そんなコトバが毎日のように飛び交っていたのです。意味がわからない。
ムード歌謡の曲調で「🎵キミとボクは今日から濃厚接触者ぁ〜」と路上で歌ったら、おそらく気味悪がられて誰も見向きもしないでしょう。そもそも接触からしてよくないのかもしれませんが、とにもかくにも濃厚接触者は現代社会においてはもはや死語となり、誰も口にしなくなってしまったのです。ベーゼと一緒です。
というわけですので、ぐわぐわ団では濃厚接触者というコトバが過去においては毎日のように飛び交い、保健所が濃厚接触者を認定し、濃厚接触者と認定された暁には隔離されてしまうというトンデモな世界に我々は生きていたということを書き記しておきたいと思うのです。令和キッズはそんな時代があったなんてと思う時がくるかもしれません。そんなとき、このぐわぐわ団の文章を読んで、余韻に浸っていただきたい。できれば、もう一度濃厚接触者というコトバに光を当てていただきたいのです。言葉狩りの時代はもう終わりました。これからはコトバ生かしの時代です。頑張りましょう。合掌。
パナソニックとんかつ
パナソニックが住宅設備の子会社をKYKに売却するそうです。

KYKといえば「とんかつ、とんかつ、けーわいけー」で大阪では有名な会社でして、特に秀逸な「とんかつ」を模したロゴマークはぜひとも見ていただきたいです。
「とんかつ」という文字がぶたさんに見えます。デザインセンスがあまりにも凄すぎて「このデザインを考えたのは誰だ!責任者出てこ〜い!」と人生幸朗師匠が言い出してしまうようなデザインなのです。世の中のデザイナーはKYKの「とんかつ」のデザインから学ぶべきでしょう。AppleのiPhoneなんかもKYKのロゴを作ったデザイナーを探して、どうにかしてAppleに引き入れたいのではないでしょうか。それほど秀逸なのです。
そして、何よりとんかつが美味しい。ちょっと張り込んだランチやディナーを楽しみたいとき、名古屋では矢場とんなのかもしれませんが、大阪ではKYKになります。東京は知らん。私が知っている東京ローカルな食べ物屋さんは日高屋ぐらいのものです。出張で東京に行った時の唯一の楽しみが日高屋のバクダン炒め定食でした。アレは本当にめちょんこ美味しかった。とはいえ、KYKのとんかつが食べられるので大阪のほうが性に合うのかもしれません。
とにもかくにも、松下が何を思ったのかKYKに住宅設備の子会社を売却するということで、これからとんかつ付き住宅が販売されるのかもしれませんし、KYK併設の一戸建て住宅にリフォームなんて未来がくるのかもしれません。最近はカロリーを気にしてなかなかとんかつを食べる機会も減っていますし、どっちかというとオーストラリア産の牛もも肉のブロックを買ってきて、ステーキにして食べるみたいなことをしているものですから、KYKが毎日食べられる住宅なんてのは私にとってはそんなにニーズがあるわけではありませんが、大阪ではそこそこ売れることでしょう。ありがたいことです。頑張りましょう。合掌。
酔っ払いのおじいさんがコンビニで提案を行う
朝にコンビニで野菜ジュースやプロテイン飲料、そしてお水を買うのが日課になっています。朝ごはん、野菜が少なかったときは野菜ジュース、たんぱく質が足りなかったときはプロテイン飲料と不足しているものを補うようにして、あすけんで高得点を狙うためにズルをしているのです。

そして、私がレジをしてもらっている時にドアが開き、入ってきた老人二人のうち一人がはちゃめちゃに大きな声で「さけびんあるか!?」と言っているのです。なんやねん、さけびんってと思ったのですが、店員さんも理解が追いついていなかったようで、私に渡すべきレシートを引っ込めながら「さ……さけびん?」とおどおどする始末。
とりあえず、店員さんは一命は取り留めたというか、正気に戻られたようでレシートを渡してもらいました。そして、可哀想におじいさん二人の相手です。「さけびん……」困った店員さん、おじいさんの一人が「酒が入ったカップみたいなやつや!」とおっしゃいます。「ワンカップ大関みたいな?」「そうや。それのぬくいのが欲しいんや」まぁ、ちょっと寒かったですし、熱燗のお酒が飲みたいというのはわからなくもない。
とはいえ、ここはコンビニであって居酒屋でもなければ立ち飲み屋でもありません。「申し訳ありません、温かいお酒は置いてないのですが……」
「なんや!ないんやて、さかいちゃん!」おそらくもう一人のご老人のお名前が酒井なのでしょう。さかいちゃんはなんじゃそりゃみたいな顔をして「この栄養ドリンクの棚に瓶の酒を置いたらええねん!」とコンビニ店員さんに提案を行いました。もうむちゃくちゃです。店員さんもどぎまぎしているし、私の前におじいさん二人が立ち塞がるように立っているので、どうにかこうにか横をすり抜けて店を出ました。さかいちゃん、店員さんに提案するのはいいけれど、栄養ドリンクのコーナーは栄養ドリンクが売れるから栄養ドリンクのコーナーなのであって、さかいちゃんが思いつきで提案してもあかんよ、と思いました。合掌。

