またしても大岡裁きの話です。
デジタル大辞泉にざっくりとしたあらすじが書かれています。
左官金太郎が3両拾い、落とし主の大工吉五郎に届けるが、吉五郎はいったん落とした以上、自分のものではないと受け取らない。大岡越前守は1両足して、2両ずつ両人に渡し、三方1両損にして解決する。
左官金太郎はもともと3両拾ったとはいえ、 拾わなかったらゼロです。結果として2両得したことになります。1両損とは言えません。
大工吉五郎は3両落として、結果として2両返ってきます。なくしたものが1両減ったとはいえ戻ってきたのですから、2両得したと言えなくもありません。
そして、大岡越前守、1両払うことでややこしい揉め事を解決できたのですから、1両損というより、必要経費として落としてしまえば解決する話です。
つまり、誰も損はしていません。どちらかというと、みんな得をしているのです。ホリエモンっぽく言いますと、win-winの関係と言えます。
上の絵ですが、なぜか大岡越前守の前にも2両あります。間違えて描いてしまいました。こうなると都合6両となってしまい、誰が損をしたのか、得をしたのか、何が何だかわかりません。大した話でもありませんし、ぶっちゃけどうでもいい話ですので、絵に関しては適当に流しておいてください。
そもそも、1両というお金がどのくらいの価値だったのかがよくわからないので、三方一両損なんて言われてもピンときません。
野村ホールディングスと日本経済新聞社が運営するman@bowというサイトを参考にしてみましょう。
このサイトによると、1両は約13万円だそうです。では、先ほどのあらすじを今のお金に換算して、もういちど読んでみましょう。
左官金太郎が39万円拾い、落とし主の大工吉五郎に届けるが、吉五郎はいったん落とした以上、自分のものではないと受け取らない。大岡越前守は13万円足して、26万円ずつ両人に渡し、三方13万円損にして解決する。
解決するわけがない。何がwin-winの関係だ。血みどろの争いとなり、最高裁までもつれそうな案件です、三方13万円損。どえらいことです。合掌。