ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

おググりください

科学の進化はとどまるところを知りません。スマホに向かって「コンビニに行きたい」と言うと、スマホが道順を教えてくれたりするようになりました。方向音痴にはありがたいことこの上ない世界です。にもかかわらず、なぜかいまだに道を聞かれます。しかも、どう考えても調べてから来ないと絶対に迷う!みたいなレアスポットに行きたいと仰られます。無理です。私は別の方向に行かねばなりませんので、あなたを連れていくわけにもいきませんし、めっちょこややこしいから言葉だけで教えてあげられる自信もありません。

聞いたことはあるけど、どこだっけか?ということも多々あります。不思議なのは、そういう時にスマホを出して調べようとすると「あ、それじゃ結構です。」と言って、しれしれっと立ち去ってしまわれる方の多いこと。こちらも気になるので調べようとした途端、せっかくの善意をひっくり返されるような仕打ち。実にもんにょりします。私のパケット代を返して!いくらか想像もつかないけど、たぶん単位は厘(りん)とかそんなの。

「今の若者はなんでもかんでもすぐにスマホで調べようとする。自分でものごとを考えようとしない悪い習慣だ!」と言う人がいますが、便利なものを使って答えを見つけることの何が悪いんだか、さっぱりわかりません。わからないことを必死になって考えても、わからないことがわかるだけで、結局わからないんだから、どうしようもないのです。というわけで、道に迷ったら「おググりください。」と言わざるをえないのです。

「今の若者は……」のくだりで、しれっと自分を若者アピールしてるのですが、お気づきになられましたか?言わなければ気づかれないのに、ついついこういうことを間に挟んでしまいます。

それはそうと、道を聞かれた時に「おググりください」と突っぱねるのも、それはそれでもんにょりするので、簡単な道の教え方。全部教えてあげようとするから、ややこしくなるのです。道を教える時には「あそこを右に曲がって、二つ目の十字路を左に曲がって、その先の二つ目の信号を……」という感じになることが多いですが、人間の記憶力をなめたらいけません。今の流れで覚えているのは「信号」だけです。最初、右に曲がるのか、左に曲がるのか、まっすぐ進むのか、たぶん覚えていません。必死になって聞く方は覚えようとするのですが、聞くそばから忘れます。IQ600の本郷猛ですらさっきの説明で覚えているのは「二つ目の信号」ぐらいのもんでしょう。短期記憶なんて、あてにならないのです。

となると、道を聞かれた時にどうすればよいか。方向だけ伝えたらいいのです。目的地の方向を指し示し「あっち」と言えばいいのです。全部を伝える必要はなくて、目的地に近づく方法さえ教えてあげれば、道を聞いてくる人は満足するんです。ただ、目的地の行き方全部を教えて欲しいというわがままさんには「おググりください」と言うしかありませんね。残念なことです。合掌。