とある衆議院議員が「三角関数より金融経済を学ぶべきではないか」ということで国会でいろいろ議論したとツイートして、なんとなく話題になっています。
「三角関数よりも金融経済を学ぶべきではないか」
— 藤巻健太 衆議院議員 (@Kenta_Fujimaki) 2022年5月17日
金融教育をテーマに、財務金融委員会で議論させて頂きました。 pic.twitter.com/aUmlrvSaKv
ここで藤巻という苗字に引っかかり、ちょっと調べてみたら案の定、この方の息子さんでした。
「株・債券・円」のトリプル安が襲ってきて日本破綻するそうです。ちなみにこの本が出版されたのが2010年3月5日。この日の日経平均株価の終値が10,368.96円。そして、今日の日経平均株価の終値が26,402.84円で2.6倍になっています。
こんな本もあります。日本破綻どころか日本大沈没。
モルガン銀行(今のJPモルガン・チェース銀行)の東京支店長を勤めたという肩書きをひっさげて経済人として活躍し、たくさんの本を出版されています。ただ、その出す本出す本全部「もう日本はダメだ!」という悲観的な本ばかりです。同志社大学の教授の浜矩子みたいな感じ。とにかく不安をあおりまくる芸風。
とはいえ、現実は別に日本は破綻していないし、なんやかんやと問題は多いものの、食べるものにも困るかといえばそうでもない。独裁者が国を牛耳っていて自分の思ったことを口にするなんてもってのほかなんてこともないし、隣国からミサイルや戦車でばんばん攻撃されているわけでもないのです。第一、こんなウソ八百のブログを書いていても特高警察が捕まえにこないんだから平和そのものだと言えます。
てなわけで、三角関数より金融経済を学ぶべきというのであれば、まずはお父さんに「どうして日本は破綻もしていなけりゃ大沈没もしていないの?」と聞いてみたらいいのではないでしょうか。
はっきり言って金融経済なんてのは言ったもん勝ちの占いみたいなもんで、いくら頑張って答えを出そうとしても絶対に当たらない、博打みたいなものです。ノーベル経済学賞をとった人がみんなからお金を集めて運用したら大失敗のすってんてんになってしまって「なんで?」みたいなことになったこともあるのです。そんな不確定なちんちろりん*1みたいなものをわざわざ子どもに勉強させる必要なんてないのです。
一方、三角関数はきちんと答えがでるからエラいのです。数学というのはきれいに答えが出るから美しくて面白いのです。物事をきちんと整理して考える力も身に付きます。一方の金融経済は本当にちんちろりんでしかありません。はっきり言って比較するほうがおかしい。こんなことを国会で議論する時間があるなら「サインコサインタンジェントとセブンイレブンいい気分はよく似ているがどうか?」という議論をすべきでしょう。合掌。
*1:サイコロでする賭けごと