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読んで損する楽しいブログ

中傷の名月

夏目漱石が英語の時間に「”I love you.” は日本語でどう訳しますか?」と生徒に問い、生徒が「私はあなたを愛しています」と答えると、「日本人はそんな言い方はしません。例えば「月がきれいですね。」と言ったりします」なんて気取った事を言ったとか、言わなかったとか、諸説いろいろありますが、おそらく言ったのでしょう。言ったことにしないと話が進まないので、ここはもう言ったと断言したいと思います。夏目漱石は言ったのです。

そして、中傷の名月はそんな夏目漱石の言葉に対して「インテリ風情が何をほざいてやがる。”I love you.” は「俺はお前を愛しているぜ!」と訳すのがアメリカンでありイギリスンではないか。イギリスに留学に行っていたにも関わらず、そんなイギリスマインドも学ばずに帰ってきやがってボケが!だから千円札の肖像画にしかならへんかったんや。悔しかったら新渡戸稲造を超えてみせろや!新渡戸稲造が何をしたのか知らんけど。」とボロクソに中傷するわけです。

それはそうと、何をした人かは存じ上げませんが、新渡戸稲造の新戸部ってそこそこかっちょいい名字ですよね。そして、稲造という若干田舎っぽい名前がまた新戸部という名字にしっくりくるのです。これはもう、新戸部の親の勝利と言っても過言ではありません。3文字の名字ってなかなかにうらやましさを感じたりするわけです。印鑑を作るときには若干面倒というデメリットもなくはないですが、そんなことを言ったら4文字の名字なんてうらやましすぎてたまらんわけです。武者小路実篤しかり、勅使河原秀行しかり、佐村河内守しかり。

そんな中で武者小路実篤は小説家として大成し、代表作『友情』は自分の名前がいかついだけでなく顔もいかついのでなかなか友達ができなかったけれど、佐村河内守という長髪サングラスという存在そのものがいかつい友達ができて嬉しいわぁというお話です。読んでみたらよろしい。合掌。