私はNHK大阪の午後8時45分からのローカルニュースが大好きです。
なぜ好きかと言うと、やたらとかむからです。
以前の記事でも書きましたが、私はかむのが悪いとはちっとも思っていません。
完璧なものよりも、そうではないもののほうに魅力を感じるのは誰にでもあるのです。ネプチューンマンとビッグ・ザ・武道のヘル・ミッショネルズよりも、ペンタゴンとブラックホールの四次元殺法コンビのほうが魅力を感じるのと同じです。
さて、いつものように午後8時45分からのかみかみニュースを見ていました。ロシア人が30トンあまりの銅を盗んで逮捕されたニュースです。被害総額は1億5000万円と、なかなか剛毅なことをするロシア人。しかし、私は気が気ではありません。
そのロシア人の名前はビターリー・サポジコブと言います。かまないわけがないぐらいのハイレベルな名前です。内心「ロシア人、悪いことすんなよ!NHK大阪のアナウンサーの人が困るやろうが!」と憤りすら感じるのですが、見えないところでめっちょこ練習をされたのでしょうか、かまずに「ビターリー・サポジコブ容疑者」と、きちんと読みあげたのです。
「やればできるじゃないか!」
もう、孫の成長を喜ぶ祖父母のような気持ちです。こちらはヒヤヒヤして、ごはんを食べる手も止まっていたので、ホッとしました。
ロシア人のニュースも終わり、あとはプロ野球と天気です。「阪神が勝ちました!」と、大阪ですから阪神びいきなのは仕方がないとして、問題はパ・リーグです。
パ・リーグの大阪の球団といえばオリックスです。
アナウンサーは「オリックス」と言いたかったのだと思うのですが、ロシア人の名前が言えたところで緊張の糸も切れてしまったのでしょう、「パリッ……」と口走ってしまいました。
「パ・リーグ」と言いたかったのか、「オリックス」と言いたかったのか、ひとつ言えるのは「パリッ……」という選択肢は決してありません。ないのです。
私と相方は「パリッ……」と聞くやいなや、確認のために常に録画しているデータを再生し、「パリッ……」の「ッ」の部分を聞きました。間違いなく「パリッ……」と言ってしまっています。
アナウンサーの頭の中で、パ・リーグとオリックスがちゃんぽんになってしまったのでしょう。相方と二人で「パリックスや!」と狂喜乱舞です。実に悪趣味です。
こんな楽しみかたをしているので、NHKの受信料はきちんと払っています。受信料は結構なお値段ですが、楽しみ方によっては、それに見合う価値があると思うのです。合掌。