私の好きな言葉のひとつが「下衆の勘ぐり」だったりします。
私自身はフランス貴族の血を受け継ぐ上流階級の身であるため、生まれてから今に到るまでの5年間、一度も下衆の勘ぐりなどしたことがありませんので、この度下衆の勘ぐり童貞を捨てて、下衆もすなる、勘ぐりといふものを、セレブもしてみむとて、するなり。突然の紀貫之、土佐日記オマージュ。土佐日記とは、土佐で暮らし、藁焼きのかつおのたたきに舌鼓を打ちながら、土佐の地酒・酔鯨でべろんべろんに酔っ払いまくる紀貫之が、密室で殺害された女社長の復習をするためにいろいろと手を焼く痛快コメディアクションです。よろしくお願いします。
完全な密室で殺害されたのであれば、そもそも死体が見つかるはずがない。これは、私が常日頃から口を酸っぱくして言っていることなのですが、完全な密室であるのなら、死因は間違いなく窒息死です。それ以外ないのです。通気口がある以上、密室ではありませんし、窓があるとか、扉があるとか、もってのほかです。密室の風上にも置けん。密室というのは、絶対に入ることができないし、出ることもできないし、どうにもこうにもならんのが密室なのです。
中途半端な密室だからこそ、探偵が「トリックがわかったぞ!」みたいなことで推理して、犯人を特定して、警察が「ご協力ありがとうございました!」と探偵に感謝するのですが、よくよく考えたら、探偵は警察からお金をもらっているわけではないはずですし、どのようにして生活をしているのかわかりません。たぶん、警察の裏勘定みたいな、私たちのあずかり知らぬお金があって、そこからたっぷりとお金をもらっているのだと思います。そして、警察の偉いさんたちとキャバクラに繰り出して「今回の密室殺人事件、よく犯人を思いつきましたなぁ」「運が良かっただけですよ。警部、グラスが空いてますよ。ねえちゃん、瓶ビール!」みたいなことで夜な夜な大宴会が繰り広げられているのです。以上、下衆の勘ぐりでした。合掌。