インド人のカレー屋さんでの出来事。
出来事というか、私の後ろの席でやったらめったら意識の高い大学生がしゃべっているのを耳にしただけなのですが、とりあえずうろ覚えで書き残しておきます。
「オレは大学で全部の授業を受けたぜ！」
たしか、そんな感じのことを熱く語っていらっしゃいました。
「大学は勉強するところなんだからさ、勉強しないなら意味がないじゃん！」
ものすごく至極真っ当なことを仰っておられる。今のこの浮かれきった時代において、しっかりと根を生やして勉学に励む大学生がいるのだと思うと、実に心強いことではないか。大学のレジャーランド化が叫ばれ、大学はウェイウェイしに行くところだと思っている軽薄な大学生が増えている昨今において、大学の授業にしっかりと出席し、勉学を何よりも大切に考えている姿勢は実に素晴らしい。
色紙とサインペンがあれば、Dr.スランプに出ていたピースケのように、サインをもらっていたかもしれません。
さて、大学というのは、小学校や中学校と違って、自分で好きな授業を受けることができます。そして、その授業に出席するなり、レポートを提出するなり、試験で合格するなりすれば、単位というものがもらえます。だいたい4年で120単位取れば卒業できます。今はどうか知りません。あくまで、私の知っている範囲です。
さきほどの大学生の話を聞いて思い出したのが私の父親です。私はミドリムシではないので、一応父親がいるのです。その父親、何をトチ狂ったのか知りませんが、朝から晩まで授業を受けまくり、卒業までに集めた単位数が確か250近く。ひとりで大学２回卒業できるだけの単位を集めたのです。そして、大学で入っていた部活動が銀行部。「何それ？」と思われた方、私と同じです。私もさっぱりわかりません。寡黙なうえに自分のことをほとんど語らないので、何が何だかさっぱりわからないのです。電話をかけても、すぐに母親に代わろうとします。こちらがいくら頑張っても、10秒も話ができません。
それはそれとして、大学2回卒業できるだけの単位を集めた私の父親は、そのまま大学の事務職員となり、定年退職までぶっ通しで働き、今はのんびり落語を聴いて暮らしています。
インド人のカレー屋で熱く語っていた大学生も、もしかしたら250単位ぐらい取っているのかもしれません。頑張って欲しいものです。合掌。
