タイトルの通りです。世界で最も力のある国はアメリカですが、イギリスも負けじ劣らずというか、世界情勢を語るうえでめちょんこ重要な国です。にも関わらず、アメリカの事はしたり顔で小難しいことを言う人がたくさんいる一方、イギリスのことをきちんと語ることができる人はあまり多くありません。
イギリス研究の第一人者である田村宗潤先生の一番弟子である私がイギリスの現在の情勢について語りたいと思います。ありがたいことです。
とはいえ、先日お伝えしたとおり、トラス首相が44日(宇野宗佑は69日)で辞任し、新たな首相選びがすでに始まっています。スナク元財務相を推す声が多いですが、多くのイギリス国民の中で、前首相であるボリス・ジョンソンが巻き返して再び首相になるという筋書きが浮かんでいるはずです。イギリスとはそういう国なのです。決して一筋縄ではいかないし、どんでん返しが好きなのです。007を観ていたら自ずとわかるはずです。
特に、世界情勢がややこしいことになっている今、外交経験のほとんどないスナク元財務相がイギリスを背負うのは荷が重すぎます。中国は共産党大会で習近平がこれみよがしに胡錦濤を退場させたりして、文化大革命2.0待ったなしの状況です。ロシアも子飼いにしていたベラルーシに適当ぶっこかれてしっちゃかめっちゃかです。ベラルーシのルカシェンコ大統領もロシアと合同部隊を編成すると言ったそばから「われわれに戦争は必要ない」と言い放ったり、なかなかの曲者っぽさを発揮しています。
世界情勢を見るには、表面だけを見ていてもダメなのです。地政学的な見地も必要ですし、今までの歴史も知っておく必要がありますし、各々の国の国民性なんかも重要です。もっと言うとその国の言語がどのような構造かを知っておかないと、相手の思考がどのようになっているか理解できません。言葉の問題だけで思考回路はショート寸前なのです。
というわけで、数字だけを見るとスナク前財務相が議員の支持を集めているので次の首相かと思われがちですが、まだまだ予断を許さない状況です。ていうか、いつも予断は許されていないので、たまには許してあげるべきではないでしょうか。合掌。