ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

『カスハラ モンスター化する「お客様」たち』を読みました。

購入金額の半額がポイントで返ってくるセールをしていたので前々から気になっていた本を買いました。

カスハラ モンスター化する「お客様」たち (文春e-book)

一体何を読んでいるのだろうと自問自答しつつも、いざ読み進めてみると「へー、ふーん、そーなんだー」みたいな感じでスラスラと読み終えてしまいました。テレビ番組『クローズアップ現代+』の内容を本にしました的なものなので、とても読みやすかったです。

てなわけで「カスハラって何?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんので説明させていただきますと、カスハラとはカスタマーハラスメントの略語であり、副題のとおり、モンスターみたいなお客様のことです。簡単に言うと、「お客様は神様だろうが!」と店員にブチ切れ、「この俺様に勝とうなど10万光年早い!」と言い放ち、「誠意を見せろ!」と脅迫ギリギリのラインを攻めてくる輩のことです。私ではありません。

とあるお店で定価2,000円の服をセールで500円で売っていたところ、「300円なら買うから300円にしなさいよ!」と無理難題を言い、「これ以上はお安くできません」と言うと大暴れして「どうして安くできないのよ!」とごねたりする人がいたそうで、こんなのも典型的なカスハラと言えるでしょう。私のことではありません。

なんかもうデフレがずーーーーーっと続いてしまっていて、需要に対して供給が常に多い、本音を言えばいつでもモノが買えるありがたい時代ではあるのですが、あまりにもずーーーーっと続いてしまったがためにモノを売る人が弱くなり、買う人が強くなり過ぎてしまったのでしょう。失われた30年は人の心をも奪っていってしまったのです。

戦後の辛かった時期を思い出しましょう。いくらきれいなべべを持っていてもおまんまは食べられません。きれいなべべを農家に持って行ってわずかな米を分けてもらったり、闇市で得体の知れない食べ物を買ってどうにかこうにか飢えをしのいでいた頃を思い出すのです。モノをきちんと適正な価格で売ってもらえるというのは本当にありがたいことなのです。決してお金を持っている人が強いわけではありません。モノを持っている人が強いのです。戦後の混乱期を生き抜いたあなたならご理解頂けると思います。え?生まれてない?じゃあ生まれなさい。合掌。