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ハチトラ

こないだM-1グランプリを見ていたら「MDなんて使ってるのはお前が最後だ!」みたいなネタがありまして、ついにMDも廃れてしまったようです。MDではなくカセットテープならわからなくもないんですが、カセットテープはアナログで簡単に録音ができるので、意外と今でもニーズがあるそうです。CDはなんだかんだでまだまだ現役ですし、レコードも好きな人は好きですよね。

「ハチトラなんて使ってるのはお前が最後だ!」だったら、みんなキョトンとしてしまってネタにはならないですよね。MDだからこそ成立するネタなのです。

ナウなヤングは知りませんよね、ハチトラ。これまたいまや誰も使っていないであろうアイテム、VHSのビデオテープぐらいの大きさで、ものすごい存在感があります。カーステレオにカセットデッキが当たり前になる前はハチトラで音楽を聴いていたんですが、iPhoneを使ってBluetooth経由で音楽を聴くのが当たり前なナウなヤングにとっては、見たらたぶん「うわぁ……」ってなると思います。

1980年頃、私の母親が乗っていた車がトヨタのコロナで、そのコロナに積まれていたのがハチトラで音楽を聴く機械。他にも、コロナのミラーはドアミラーではなくフェンダーミラーで、パワーステアリングもなし、もちろんミッション。特にパワステなしというのは今では考えられない代物で、低速で曲がる時は腕の筋肉がプルプルするぐらいに力が必要だったそうです。今の車はなんだかんだで運転しやすいのですが、そんな昔の車の話をしたところで、ナウなヤングは「はあ?」って感じでしょう。

そのうち、ナウなヤングが年をとり、高齢者となった時に「昔はiPhoneを使ってBluetooth経由で音楽を聴いておったのじゃ。」と話をするとき、世の中はどうなっているのでしょうか。人間の脳みそがWi-Fiの電波を直接ゆんゆんと受信して、音楽を楽しむことができるようになっているかもしれませんし、もっと想像もつかないような方法で音楽だけではなく、いろんなことを楽しめるようになっているかもしれません。

車なんかもなくなっているかもしれませんよ。そもそも、移動するということがなくなっているかもしれません。今のナウなヤングもうかうかしているわけにはいきません。

人間が生まれると、脳みそと身体を分離させて、脳は死ぬまで快楽に溺れ、身体だけが労働に明け暮れるようなエグい世界になっていたら、それはそれはもんにょりしますねぇ、ひっひっひ。ハチトラから話が飛び過ぎました。合掌。