ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

人の価値は最後にわかる

コンビニのレジに長蛇の列ができていた。もちろん私もいそいそとその列に並んで「お買い得品」の棚に並んでいたチョコレートを買うのである。コンビニなのに「お買い得品」などあるものかと思われるかもしれないのだが、大量に仕入れたものの売れ行きが悪くて賞味期限が間近なお菓子などがたまに「お買い得品」としてしっとりと陳列されていることがある。そういうお菓子は採算度外視だからか、珍妙なほど安い。そして、見たことがない。なんだこれは、というようなものが極めて多い。

別に「お買い得品」について熱く語りたいわけではない。お買い得かどうかは結局のところ買う人が決めることで、138円の値札の付いたチョコレートを嬉々として手にとって長蛇の列に並ぶ私のようなものがいるかと思えば、世界で限定10台とうたったスポーツカー金3億円也を「お買い得だ!」と喜ぶものもいる。どちらが幸せなのかは、言わずともわかると思うが、3億円のスポーツカーを「お買い得だ!」と言える側の人間である。「お買い得だ!」と言ったうえで、即金でスポーツカーが買える側の人間になりたい。

コンビニの話に戻ろう。2つのレジのうち、左側のレジはAmazonのコンビニ受け取りで来た感じの人が立ちすくしており、若い男性店員が「えっ!」「あらへんやん!」「どこやねん!」と、見た目にうろたえまくっており、バックヤードに走っていってしまう。右側のレジは胸元に「トレーニング中」と書かれた札をつけた、いかにも新人という感じの若い女性で、にこにこしながら応対しているものの、チケット発券業務にこれまた狼狽しまくっているのがありありとわかる。

列はすくすくと伸び続け、若い男性店員は帰ってくる様子がなく、トレーニング中の女性店員がひとりで店を切り盛りしているような様相で、本当にコンビニはすることがたくさんすぎて大変だなぁと思う。

だから、お買い物を済ませた後にはできるだけはっきりと「ありがとう」を伝えるようにしている。「もっとちゃんとせえよ!こっちは時間ないねん!のろのろしてたらあかんでホンマ!」と声を荒げるようなことだけはするまいと心に決めている。

人の価値はその人が亡くなった時にわかる。自分自身で満足した生き方ができたか、そして周りの人がどれだけ悲しんでくれるか、である。私は「ありがとう」をしっかりと伝えることで、いつの日か私がこの世を去ったときに、全国のコンビニの店員さん全員が声を揃えて「あの人はいい人だった」と悲しんでくれたらいいなと思っている。とりあえず、なんとなく私小説っぽく文章を書いてみたけど、なんだかこそばゆい。合掌。