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『「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと』を読みました

この前、ぐわぐわ団のファンだと言っていただいた「poco_chan’s diary」のポコちゃんさんが「読みたい!」と記事にしていた本、『「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと』を買ってきて、読んでしまいました。

どんな内容かというと、生きものをずーっと研究してきた著者が、今まで読んできた物語に出てくる「おんなの子」を紹介しながら、人間のあり方はこうなんじゃないかな?と問いかけてくるような本です。

ややこしい話は抜きにして、この本で紹介されている『あしながおじさん』の主人公・ジューディがあしながおじさんに書いた手紙を引用します。

あたしは今日から、集約的な生活をするつもりですの。あたしは、この一秒一秒をたのしむつもりよ。そして、たのしんでいる間は、じぶんがたしかにたのしんでいることを、はっきりと意識していくつもりですの。たいがいの人たちは、ほんとうの生活をしていません。かれらはただ競争しているのです。地平線から遥かに遠い、ある目的地へいきつこうと一生けんめいになっているです。そして、一気にそこへいこうとして、息せき切ってあえぐものですから、現にじぶんたちが歩いている、その途中の美しい、のどかな、いなかの眺めも目にはいらないのです。そしてやっとついた頃には、もうよぼよぼに老いぼれてしまって、へとへとになってしまってるんです。ですから、目的地へついてもつかなくても、結果になんの違いもありません。

この部分がこの本の一番のポイントじゃないかなと思います。成長しないとダメだとか、競争には勝たねばならんとか、結果を重視して、どんどんしんどくなってきている今の社会に対して、もっと今を楽しく生きる素敵な生き方があるんじゃないかなというのが著者の伝えたいことです。そして、著者の読んできた物語の中の「ふつうのおんなの子」は、そんな生き方をしているのです。

びっくりするのは、『あしながおじさん』が出版されたのは1912年ということ。100年以上前になります。100年以上前に書かれた言葉が、今の社会にしっくりきてしまうことにちょっと不安を覚えます。

『あしながおじさん』のジューディ以外にも、『若草物語』、『ハイジ』、『小公女』、『赤毛のアン』といった有名な物語を通して、今を素敵に生きようと願う著者の思いが伝わってくる、とても素敵な本でした。

海外の物語が多い中で、日本の古典『虫めづる姫君』が紹介されているのも興味深いところです。さきほどの『あしながおじさん』が100年以上前に書かれたものであることに驚きを感じてしまいましたが、『虫めづる姫君』は1000年以上前に書かれたものです。平安時代にも「ふつうのおんなの子」がいたんだと著者が嬉しそうに書いているのがものすごく印象的です。

忙しない世の中だからこそ、一歩立ち止まって、ゆっくりこの本を読んで、素敵な生き方について思いを馳せてみるのもいいかなと思います。合掌。

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