とにかく本のタイトルが長すぎる……
開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学
- 作者: 川田利明
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2019/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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プロレス大好き『働けおっさんブロガー』のマスクド・ニシオカさんならバクッと食いついてくれるであろう本です。全日本プロレスで四天王プロレスを築き上げたデンジャラスK・川田利明がラーメン屋になってからの10年を振り返った内容となっています。ネットで話題になっていたので、ご存知の方も多いでしょう。
この本、とにかくすごいです。
何がすごいって、延々と愚痴ばっかりです。プロレスファンなら「これこそ川田利明だ!」と大喜びです。川田利明を知らない人だと「なんじゃこりゃ?」と思うかもしれません。
俺は別にラーメン屋じゃなくてもよかったんだよ。
「ラーメン屋を居抜きで借りるから、俺もラーメン屋になる」という、適当なチョイスで店を開こうとするデンジャラスK。自宅からは近いけれど、最寄駅からは徒歩12分という最悪ともいえる立地の悪さ。そして、実際に賃貸契約をした後で厨房に入って、まず出てきた言葉がコレ。
「なんにもねーじゃん!」
使えないコンロとシンクしかない。仕方がないから、いろいろと用意をするけれども、そうするとお金がどんどこなくなっていくと愚痴る川田。6年経ったらローンの返済がなくなるからラクになるだろうと思いきや「保守料」を払い続けなければならないと愚痴る川田。立地が悪いから駐車場を借りることになり、これまた結構な出費になると愚痴る川田。全てが現金払いだと愚痴る川田。定休日はあるけれど店主に休みはないと愚痴る川田。仕込みをしっかりするほど食事と睡眠の時間が削られると愚痴る川田。生ビールのサーバーに関してもしっかりと愚痴る川田。とにかく、愚痴る。
こんな調子でどんどん読み進めていくことができます。私がプロレスファンだからかもしれませんが、正直めちゃくちゃおもしろいです。
プロレス界で個性を出すために”不器用なキャラ”を演じていたと語る川田。
プロレスファンの人からすれば「なるほどな。やっぱり川田って不器用だからな。」と妙に納得してしまいかねないので、最初に書いておく。
俺、本当はすごく器用だよ、と。
この文章を読むだけで十分この本を読んだ価値はあったと思います。器用かしらんが、最後まで読んだら「あンた、ホンマは不器用やん!」と叫びたくなります。そういう本です。合掌。