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愚螺丹

最近はご家庭でも簡単に作ることのできるグラタン。フランス料理か何かと思われている方が多いですが、あれは立派な和食です。もともとは「愚螺丹」と書き、古くは万葉集において「愚螺丹美味、滋養有り」と歌われていたぐらいです。令和という元号は万葉集から引用されたという話ですが、実は愚螺丹も日本の最古の料理としての威厳復活のために元号にしてはどうかという意見もあったほどです。

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作り方は万葉集の時代も今もあまり変わることはなく、ハウスのグラタンの素を使って作るのが慣わしとなっています。本格的に作るのであれば、小麦粉、牛乳、バターをなんやかんやしてホワイトソースを作り、マカロニやら何やらをなんやかんやして、チーズを乗せてオーブンで焼くのですが、そんな手間は私たち今の時代の人間も、原始人も面倒なのでようしません。ハウスのグラタンの素を使うのが一番手っ取り早いのです。

日本最古の貝塚である西の城貝塚にもハウスのグラタンの素の使用済みの箱がぽいっと捨てられていたということですから、グラタンが和食であったことの何よりの証左です。

しかしながら、何となく和食というと醤油や味噌を使った茶色い料理というイメージなので、白いグラタンはせっかく和食の元祖であるというにも関わらず、なんとなくフランス料理っぽいと思われ、フランス革命においてフランス人が「日本の愚螺丹は美味しいからフランス料理ということにしてしまおう!」と言い出し、かのマリー・アントワネットも「パンがなければグラタンを食べればいいじゃない」と言ったことから、急速にグラタンはフランス料理としての地位を確立し、その後マゼランが世界一周を成し遂げた際に「グラタンはフランス料理やぞ!」と言い回ったため、なんやかんやでフランス料理っぽくなってしまったのです。

そんなことはもはやどうでもよくて、グラタンは美味しいですし、日本人としてこれからもグラタンを愛し続けることが寛容かと存じます。合掌。