人というものは、ついつい誰かにいらんアドバイスをしてしまいたくなるものです。イラン人に「キミの国の隣はイラクだよ」とアドバイスしてあげても、たぶんイラン人は「そんなアドバイスはいらん!」と思うことでしょう。それほど、アドバイスというのは難しいのです。
アドバイスという言葉の語源を考えると、実はアドバイスがいかに愚かな行為かがわかるのです。まず、アドというのはアドバンテージのアドです。アドバルーンのアドではありません。アドバルーンのアドは広告という意味があります。アドバイスのアドに広告の意味があるはずがないのです。というわけで、アドバンテージのアド、つまり先手をとるという意味が含まれています。
そして、バイスですが、みなさんにはあまり馴染みがないかもしれませんが、バイスというのは万力のことです。
モノタロウのサイトでバイスを調べると「ヤンキーバイス」などという、ヤンキーなうえにバイスな代物が出てきます。しかも、縦横に使用できるそうです。めちょんこ便利そうですが、私は職人ではありませんので、いまいちヤンキーバイスの使い道がわかりません。
とにかく、アド+バイスというのは「先手を打って万力で捻りあげる」という意味が含まれているのです。
つまり、アドバイスをするということは、同時にマウントをとるという意味でもあるのです。ですから、いらんアドバイスは嫌がられてしまうのです。もっと言うと、イラン人にいらんアドバイスをしたら「そんなアドバイスはいらん!」と煙たがられてしまうのです。イラン人と仲良くしたいのであれば、いらんアドバイスはしないほうが絶対に良いでしょう。
むしろ、アドバイスをしたいと思っても、その気持ちをぐっとこらえて、まずは話を聞いてあげることが大切なのです。「どうしよう、彼が浮気しているみたいなの……」と相談をされたとしても、アドバイスしたい気持ちをぐっとこらえて話を聞いてあげるのです。しっかり話を聞いているうちに「はい、オッパッピー」みたいな展開になるかもしれません。そうなればアドバイスはいらないですし、解決したも同然です。アドバイスはしなくてもよいこともありますし、したほうがよいこともあります。是々非々で考えましょう。合掌。