『一杯のかけそば』という心温まるお話があります。作者が経歴詐欺をやらかしたり、寸尺詐欺をやらかしたり、とにかくなんやかんやと詐欺行為をしまくったので社会的に抹殺されてしまい、『一杯のかけそば』も我々の記憶からはすっ飛んでしまいました。
とはいえ、この話が国会で議員によって朗読されたり、それを聞いた総理大臣が涙を流したりと、わけのわからない、私が好きっぽいエピソードが満載です。先ほど、ちょっと調べただけですが、タモリが「蕎麦屋でかけそば頼むんだったら、インスタントラーメンなら3個買えるし」みたいな、極めて常識的なツッコミを行なったところ、しれっとブームが過ぎ去ったということみたいです。総理大臣の涙も何もあったもんじゃありません。
そりゃ親と子ども2人が店に入ってきて「かけそば一杯ですがいいですか?」と迷惑な注文をした挙句に、最終的には子どもが医者になったりでお金持ちになってかけそば三杯注文して終わりというのもどうかと思うのです。お金持ちになったのなら、せめて天婦羅そばを頼みましょう。
そして、天婦羅そばに関してなのですが、私はお汁をじゃぶじゃぶに吸った天婦羅が好きではありません。もっと言うと、天つゆで天婦羅を食べるのも好みではなく、どちらかというと塩で表面がカリカリのクリスピーなまま、天婦羅を楽しみたいのです。こういうことを書くと、お前はアメリカ人か!?とツッコミが入りそうですが、私はフランス人ですので、大きな間違いです、ボンジュール。
ただし、天婦羅がかき揚げの場合は、お汁を吸っているのもアリかなと思います。このあたりが実に難しいところで、海老の天婦羅に関してはカリカリのほうがよいですし、海苔の天婦羅もやはりカリカリのほうがよいのです。ただ、かき揚げに関してはじゅくじゅくでも許容範囲と言えなくもありませんし、過言ではありません。何をごちゃごちゃ言っているのでしょう、天婦羅など好きに食べたらよいのです。砂糖をかけて食べても私は怒ったりしませんし、生暖かい目で見守りますから、どうぞ砂糖をかけて食べてください。合掌。